研究概要 |
本研究は、平成18・19年度の2年間で高齢者虐待防止法施行後の自治体における高齢者虐待予防への取り組み、地域の高齢者虐待対応の中核機関である地域包括支援センターの取り組み、自治体と地域包括支援センターとの役割分担等の把握を目的としている。平成19年度の研究は以下の通りである。 本年度は、1,827の自治体(平成19年8月1日現在1,804市町村、特別区23区)の地域包括支援センター担当部署に、平成19年9月3日〜12月3日の期間に地域包括支援センターに関する郵送による自記式質問紙調査を実施し、有効回収率は52.4%であった。 本調査によって、地域包括支援センターの運営主体(直営・委託)、統括体制、職員の職種別配置状況、高齢者虐待対応中心部署名、高齢者虐待防止ネットワークの有無、高齢者虐待関係予算の有無、高齢者虐待に係わる業務量、地域包括支援センター間の連携、都道府県高齢者担当部署との連携等について明らかになった。 調査結果については、希望した自治体へのデータ(メール添付ファイル)の送付、「地域包括支援センターの担当部署の高齢者虐待対応に関する調査(概要)」の報告書の作成などで、自治体等へのフィードバックを行った。今後、調査結果ならびに資料の詳細な集計・分析を行い、学会および論文で発表することで自治体等への情報提供、さらに対応が遅れている高齢者虐待予防に役立てたいと思っている。 今後の課題として、本調査結果をもとに自治体と地域包括支援センターの関係を分類し、今回の調査で同意をいただいた自治体と地域包括支援センターに訪問調査を実施して、自治体と地域包括支援センターの役割分担、自治体における高齢者虐待対応の現状と課題を明らかにしたいと思っている。平成20年度も高齢者虐待予防に貢献できる研究を継続するつもりである。
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