研究概要 |
平成18年度は,「薬局製剤」および「一般用医薬品」実習プログラムおよび教材の開発とその評価を行った.薬局製剤実習プログラムは「基本事項の確認→インドメタシン外溶液,感冒剤13号Aの製造→包装および添付文書作成→症例検討」から,一般用医薬品実習プログラムは「解熱鎮痛薬,感冒薬,胃腸薬に関する調査並びに症例検討→全体討議→販売ロールプレイ」から構成し,これに沿って実習書や症例を作成した.実習後にアンケートを実施したところ,実習全体の満足度,実習への動機付け,実習後の変容に関する項目についての評価は両実習ともに高かったが,実習の内容量,実習時間については多いあるいは長いとする意見がみられた.重回帰分析を行ったところ,薬局製剤実習に関しては"進行方法","学習意欲の向上","今までに得た知識の深まり"および"実習目的の理解"の4項目が,一般用医薬品実習に関しては"実習の進行方法","学習意欲の向上","実習目的の理解"および"内容量"が"実習全体の満足度"に対して有意に影響を与えていた.ドラッグストアの薬剤師に興味があるとした学生は,実習前は51.5%であったのに対し,実習終了後は88.5%と有意に上昇していた.実習試験(14点満点)の結果は,実習前が平均5.35点だったのに対し,実習後は10.42点と有意に上昇していた.以上より,本実習はセルフメディケーションサポート能力養成に有用であるだけでなく,セルフメディケーションに関わる薬剤師の重要性についての気づきや今後の学習の動機付けのためにも有効であることが示された.今後解析結果をもとに実習プログラム及び教材を改変するとともに,本実習に参加した学生に関する追跡調査を行い,研究成果について論文発表を行う予定である.なお,平成18年度の研究内容については,「日本薬学会第127年会」においてポスター発表を行った.
|