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2006 年度 実績報告書

高精度氷河変動モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18840002
研究機関北海道大学

研究代表者

杉山 慎  北海道大学, 低温科学研究所, 講師 (20421951)

キーワード氷河 / 環境変動 / モデル化 / 自然現象観測・予測 / 水圏現象
研究概要

1.GPS測量システムの改良
氷河上で長期間連続的に流動測定をおこなうため、ソーラーパネルによる電源供給とGPSのプログラム制御を利用した、無人測量システムを構築した。従来はバッテリーの交換やデータ取得のために人員が必要であったため、氷河上でのGPS測量は例えば一日一回に制限されていた。新しいシステムを利用することにより、昼夜を問わず任意の時間間隔でGPS測量が可能となる上、数週間にわたる無人測定が実現する。すなわち、高い時間分解能で流動変化を測定できる他、氷河に滞在することなく連続測定を実施することができる。構築したシステムを元にして2007年夏にスイス・ローヌ氷河で4台のGPSを運用した流動測定を行ない、数時間という時間分解能で夏期間の流動変化を明らかにした。この測定結果を下に述べる長周期流動変化と合わせて解析することで、山岳氷河の流動変化を理解し、氷河の長期的変動を予測する数値モデルの精度を向上することができる。
2.航空写真解析によるローヌ氷河の流動速度測定
写真解析に経験をもつスイス連邦工科大学・水文水理氷河学研究所の協力のもと、1970年から現在にわたってローヌ氷河の年間流動速度を測定した。ローヌ氷河は過去150年にわたる氷河変動が詳細に記録されているが、1900年代に入ってからは流動速度が全く測定されていなかった。今回この空白期間の流動速度を測定したことにより、山岳氷河の変動メカニズムを解明するための貴重なデータが提供されたことになる。具体的には、これまでに開発された山岳氷河変動モデルの入力データとして利用することで、過去の氷河変動の詳細を明らかにし、正確な将来変動予測が可能となる。
以上の研究実績を、平成19年9月に開催された雪氷学会全国大会において発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] スイスアルプス・ローヌ氷河における過去100年の表面流動速度変化2007

    • 著者名/発表者名
      西村大輔、杉山慎、Martin Funk
    • 雑誌名

      2007年度日本雪氷学会全国大会講演予稿集

      ページ: 5

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公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-04-21  

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