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2006 年度 実績報告書

ポルフィリン及びフタロシアニン類縁体を用いたπ共役拡張分子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 18850003
研究機関東北大学

研究代表者

清水 宗治  東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (70431492)

キーワードπ共役 / ポルフィリン / フタロシアニン / 芳香族性 / 複核錯体
研究概要

ルビリンの類縁体である[38]ノナフィリンは38π共役を有しているが、8の字にねじれた非平面構造のために芳香族性を示さない。研究代表者はメタンスルホン酸を用いてプロトン化することで^1H-NMRスペクトルから芳香族性を示唆する結果を得ている。X線結晶構造を得ることを試みているが、現在までまだ成功していない。そこで更なる検討を行うためにまず2次元NMRスペクトルで立体構造を決定することに着手している。また大きな芳香族π電子系を持つ環拡張ポルフィリンは非常に大きな二光子吸収断面積を示すことを近年研究代表者らは明らかにしている。そこで同様の検討をこのノナフィリンについても行ったところ、プロトン化前は1300GM程度であったのが6000GMにまで変化することを見いだした。これは研究代表者の予想している構造の変化が確かに起きていることを示すだけでなく、環拡張ポルフィリンの柔軟な構造を利用した物性の発現・スィッチングを期待させる結果と言える。またこれまでに環拡張ポルフィリンの金属錯体の例は限られているが、ヘキサフィリン、ノナフィリンについて金属錯化挙動を明らかにし、報告した。
フタロシアニンオリゴマーはその前駆体となるヘキサシアノヘキサアザトリフェニレンを合成し、反応を種々検討しているが、出発物質の低い反応性のために、これまでのところ成功していない。またテトラシアノベンゼンの片側をイソインドリンに変換する合成法は知られてはいるが再現性が低かった。そこで研究代表者は塩基を用いない方法で反応させることで片側のみを変換することに成功した。これを他のイソインドリンと反応させると2ヶ所にシアノ基を有したフタロシアニンを合成することができ、さらに反応させることで共役でつながったフタロシアニン5量体を合成することが可能であり、現在検討を行っている。またこのフタロシアニンは様々な反応の前駆体に利用することが可能である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] [40]Nonaphyrin(1.1.1.1.1.1.1.1.1) and Its Heterometallic Complexes with Palladium-Carbon Bonds2007

    • 著者名/発表者名
      Yiho, Kamimura, Soji Shimizu, Atsuhiro Osuka
    • 雑誌名

      Chemistry A European Journal 13

      ページ: 1620-1628

  • [雑誌論文] Group 12 Metal Complexes of [26] Hexaphyrin(1.1.1.1.1.1)2007

    • 著者名/発表者名
      Shigeki Mori, Soji Shimizu, Ji-Young Shin, Atsuhiro Osuka
    • 雑誌名

      Inorganic Chemistry (in press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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