研究課題
創薬スクリーニング等への応用が期待される細胞チップの開発には、そのセンサー部を担う細胞自身の生存・機能を基板上で長期的に維持することが重要である。本研究では、均一な粒径のスフェロイドを規則的に高密度配列する方法について検討を行った。シャープな微細加工を実現するためにフォトリソグラフィー技術を用い、直径300μmの円柱状キャビティを約1000個/cm^2の密度で規則的に形成する技術を確立した。次に、キャビティ内におけるスフェロイドの形成促進・脱落防止を目的として、キャビティ底面に接着/非接着高分子を化学修飾した。すなわち、キャビティを形成したチップ表面に金をスパッタし、マイクロコンタクトプリンティング法を用いて、キャビティ底面中央の直径100μmの範囲へ細胞接着ペプチド(RGDペプチド)を、それ以外の部位にポリエチレングリコールを金-チオール結合を利用して化学的に固定した。この基板にラット初代肝細胞を播種し、スフェロイドの形成および機能維持を評価した。その結果、肝細胞は培養24時間でキャビティ底面中央にスフェロイドを形成した。スフェロイドの粒径は、その86%が直径160〜180μmであり均一であった。アンモニア除去能およびアルブミン分泌能は、少なくとも評価を行った2週間は初期活性を維持した。また、本基板は光学的に透明であり、蛍光検出によってスフェロイド構成細胞の基本構造(細胞骨格やミトコンドリア)やP-450活性などを検出可能であった。以上より、本基板は、長期的な薬物スクリーニング試験などに応用可能であることが示唆された。
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