研究課題
一年目には、細胞チップによる測定結果の信頼性を左右する最も重要な因子が細胞の生存状態であると考え、良好な生存状態が維持される3次元細胞組織体をチップ上に自発的に形成・マイクロアレイ化する技術を開発した。そこで2年目は、チップ上における細胞機能解析技術を開発した。この細胞チップには、電気化学的原理を利用したマイクロポンプとセンサを集積化し、培養から測定までの一連の作業をワンチップ上で行える機能測定システムとした。特に、一回のサンプリング量を12nlと極微量に制御し、電気的なスイッチを押すだけでサンプリングおよび測定がおこなわれるよう設計することで、インキュベータ中に培養系を静置したまま、短い間隔で連続的なモニタリングを実現した。実際に機能計測の例として、肝細胞のアンモニア代謝機能をモニタリング可能であることを示した。肝細胞の播種密度11cells/mm^2において、1mMのアンモニアが3時間後には0.27mMまで低下する様子をモニタリングし、通常のディッシュ上で培養し市販キットにより3時間後のみを測定したときと良く一致することが示された。従来の測定法と異なり、本チップでは煩雑な前処理無しに、高い時間分解能で自動的な測定が可能となった。また、本システムでは、送液、センシングをすべて電気化学的原理に基づいて構築しているため、微小化、集積化に適している。チップ挿入ロをもつハンディタイプの分析機器への展開を目指し検討を続けている。本研究に関連する成果は、本研究課題の研究期間である平成18年度および平成19年度で原著英語論文21報に結実した。
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