研究課題
炭素膜の堆積:積層グラファイトを剥離、半導体表面へ転写してグラッフェン膜を堆積する手法を検討した。本手法はプラズマを用いた気相成長法より半導体基板にダメージを与えないという特徴がある。また、この手法によりグラッフェンの堆積が良好に行われると、その上に配向性の良いC_<60>が堆積できることも期待され、厚膜電極の形成が可能となる。HOPG(High Orientated Pyrolytic Graphite)を原材料とし、テスト用として用意したSiO_2/Si基板にグラッフェンを剥離転写した。グラッフェンは1mm以下の領域で点在して転写出来た。現在、大面積化に取り組んでいる。また、グラッフェン膜の効果を簡易的に確認する手法として表面保護膜への応用を考案した。表面のポテンシャルに電気抵抗が敏感である薄膜AlGaNを表面にもつGaN基板を準備して初期特性の測定を行った。測定系の整備:電流-電圧、及び容量-電圧特性の評価は迷光の影響を大きく受け、さらに微小な電流、容量を測定する必要がある。プローバー本体全てを遮光・シールド効果のある金属箱に納める構造に改良した。この際、測定器から金属箱までは二重シールドケーブル、箱内部は探針の直近まで同軸ケーブルを用いる配線として、ノイズを極力低減する構成とした。この結果、pA以下の低電流が検出できる系となった。さらに、試料を高温に保持できる改良の一部も前倒しで行った。技術調査:国内外の著名学会に出席し、ワイドギャップ半導体電子デバイスの分野を重点的に調査した。携帯電話基地局等への実用化が始まろうとしているが、信頼性は危惧されている。本研究が目指しているような耐熱電極の開発はデバイス開発において重要な位置を占めるものと思われる。
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physica status solidi (c) 3,No.3
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2006 IEEE MTT-S International Microwave Symposium Digest
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