1)高齢化社会における公共交通政策に関する調査 スウェーデンGothenburgにおける公共交通政策の計画システムと合意形成手法について詳細な調査を実施した。調査の結果、以下のような成果が得られた。 1-1)Gothenburgにおける人口動態と交通の現状の把握 高齢化は一旦落ち着いたが、20〜30年後にまた高齢化を迎えると予測している。現在は郊外へのスプロールが進行している。そのため、自家用車の利用が急激に増加し、道路の渋滞、交通事故の増加や大気汚染が深刻な問題となっている。今後も交通量は増え続け、今後20年で25-30%の増加を見込んでいる。公共交通の運営に対しては、市から40%補助金を出している。 1-2)長期的な交通戦略K2020の概要の把握 今後25年で自家用車による交通量の増加を公共交通にシフトさせ、公共交通の利用者を20%増加させることを目標としている。人口が増加しているヨータ川の対岸の地区と都心部を結ぶ交通への需要に応える施策としてトランクバスシステムの導入を行った。トラム路線の延長も進められている。こうした公共交通への重点的な投資は再び迎える高齢化社会を見込んでいる。 1-3)交通政策における地元企業との協働体制の把握 公共交通の利用促進において地元企業のボルボの協力を得ている。輸送力を高め、かつ環境悪化を軽減するため天然ガスを燃料とした大型のバス車輌をボルボが開発し、積極的な協働体制を確立している。 Gothenburgにおける調査の成果は第35回土木計画学研究発表会(H19.6月)にて公表する予定である。 2)公共交通に対する住民の意識調査の作成 豊橋市を対象に、高齢者の移動が制約される公共交通空白地域におけるバス導入を想定して、その価値(支払い意思額)を問うアンケート調査を作成した。調査は平成19年4〜5月に実施する。
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