2007年4月に本研究提案の背景である、観測ロケットプロジェクトの提案が採択され、2009年の夏季に、導電テープテザーを搭載した理学実験用観測ロケットが打ち上げられる見込みである。この採択は、本研究とこれに関わる活動の実績として、もっとも大きなものである。 本研究初年度(18年度)実績の個々の詳細については下記に示す。研究遂行のための装置、環境の準備が主である。 ・真空環境での試験の準備:アクリル製の低真空槽、真空ポンプならびに真空槽内部で使用できる展開模擬装置を準備し、予備実験を行った。 ・ダイナミクス特性を取得するためのカメラおよび画像処理装置の準備:展開ダイナミクスを計測するための小型カメラ、および画像データを処理するためのワークステーション、解析ソフトを準備した。 ・航空機実験を提案し採択:日本宇宙フォーラムの地上実験公募研究に、微小重力環境下でのテープテザーの三次元挙動観測をテーマにして応募し、採択された。 ・テザー張力を計測する非接触計測系を発明:テザーに働く張力が微小な場合、従来の張力測定装置では、測定装置が、対象に影響を与えてしまうことが問題であったが、微小張力が作用する場合でも、テザーに触れることなく計ることができる張力計を考案し、特許出願および基礎実験を行った。 以上、各種研究に要する機器類、環境、機会を整備するとともに、ダイナミクス解明に向けての力学モデル構築などの作業も進めつつある。
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