研究課題
本研究では、2009年夏に打ち上げが予定されている観測ロケットを用いた理工学実験において搭載予定のテープテザー展開機構の開発研究と、それに伴う実証実験を実施した。ロケット実験では、限られた飛行時間内に、長さ300m、幅25mmのテープ状の導電部材(ベアテープテザー)を安全かつ高速に展開する必要がある。従来とは異なる「折りたたみ型展開機構」は、特許も取得し、安全性、信頼性を保った高速展開が見込めることを実験的に実証した。地上実験ならびに数値解析の結果を踏まえ、実際に宇宙空間で使用できる搭載品の設計に移る段階までの進展を達成した。また、それらの研究から派生して、軸方向に走行する線状材料の張力、速度などをモニタリングする非接触計測法を考案した。本研究二年目(19年度)の具体的な研究実績ついて下記に示す。・地上実験、数値解析の結果を踏まえ、テザー展開プロファイルの検討と設計を行った。・展開試験が可能な真空槽を製作し、真空環境での展開実験を実施した。実験の結果、展開時の抵抗に関する知見を得た。この成果は展開機構およびブレーキ機構の設計に資する。・2007年9月、12月に航空機を用いた微小重力実験を実施し、微小重力環境下での射出展開機構の動作確認、およびテザー展開挙動に関する知見を得た。・非接触計測系の概念検討と実験的検証を行った。分解能などに課題が残るものの、あたらしい計測技術としての展開が見込める。・本研究で取り組んでいる展開機構の応用例として、小天体サンプルリターンミッションへの応用を検討した。上記研究成果に関して、学会などでの発表を行った。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)
Journal of Guidance, Control, and Dynamics, AIAA Vol.31, No.2
ページ: 436-440