研究概要 |
平成18年度成果として,次年度実施予定であった(3)有機合成繊維とのハイブリッド化を前倒しで実施し,結果として,PET長繊維とのハイブリッド化による衝撃強度向上を見出し,PET繊維混入率と衝撃強度との関係を把握した.PET繊維混入による衝撃強度向上に関しては,フランスで開催された国際会議(3^<rd>WPC Int. Symp.)で発表した.一方,平成18年度実施予定の82)機械的特性および耐熱特性が最も向上する造粒条件m成形および乾燥条件を見出すための実験において,幾つかの条件で射出成形時に十分な樹脂流動が得られず,成形サンプルを作れない現象が発生した.NF(ジュート繊維)-LFPを分析した結果,ペレット製造と射出成形のPLA溶融時に繊維内の残存含水分により予想以上にPLAの加水分解が促進し,分子量が大きく低下していることが判明した.そのため,基礎用エアープラズマ(AP)照射装置を試作し,照射条件とNFの含水分との関係を調べた結果,AP照射のみでは乾燥が不十分で,APによる十分な界面強度向上を引き出すことが出来なかった.NF内部の含水分を除去するため,AP処理と併せてオンラインでの高温エアーブロー(AB)処理方法を検討した結果,300℃以上のABによるNFの含水率下げる可能性のあることを見出した.本年度はNF-PLAを高性能化するために、以下のことを実施する。 (1)高温AB+APによるNF表面処理法を開発する。 AP照射直前に高温AB(200〜600℃)をNFに吹き付ける装置を試作し,PLA含浸直前でのNFの乾燥および表面処理技術を確立する. (2)機械的特性および耐熱特性が最も向上する成形条件を見出す。 NFの高温劣化を防ぎながらオンラインでの水分除去技術を確立し最適化する.水分除去後,繊維と母材との接着性を高めるためのプラズマ照射装置の操作条件の最適化を行う.
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