研究課題
本年度は、主たる活動として、南アジアにおけるポルトガルの植民都市の概要の把握、およびこれら植民都市が建設された背景を把握するとともに、臨地調査の基礎となる地図の資料収集をおこなった。まず、国内で入手可能な資料の整理をおこなうとともに、植民地の宗主国ポルトガルにおいて2度にわたる文献・地図資料の調査、収集をおこなった。とくに地図資料の収集では、Archivo Historioco Ultramalino、Biblioteca Nationalをはじめ、リスボンを中心に約20の大学、資料館で調査をおこなった。調査では、ポルトガル植民都市の全体像の把握に重点を置き、地域を南アジアに限定せず南アメリカ〜アフリカ〜アジアにおよぶポルトガルの全活動範囲を対象とした。これにより都市図について国外、国内をつうじて有数のコレクションを形成することができた。地図資料はリスト化するとともに、一般に利用可能なかたちでの公開を検討している。加えて、調査をつうじて現地の研究者との交流をおこない、植民都市をめぐる最新の研究動向を把握することができた。また、収集した文献・地図資料をもとに、17世紀にオランダに占領され改変が加えられた南アジアの2つのポルトガル植民都市コーチンCoohin(ケーララ、インド)、コロンボColombo(スリランカ)を対象として、ポルトガルとオランダ植民都市の空間構成の比較をおこない、それぞれの特質について学術雑誌、学会で発表した。来年度は、文献・地図資料の補足的な収集をおこなうとともに、研究の焦点となるゴアGoa、ダマンDamao、ディウDiuの3都市を対象として臨地調査をおこない、その形成と変容について考察する見通しである。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
日本建築学会計画系論文集 第613号
ページ: 7-13
日本建築学会計画系論文集 第607号
ページ: 71-78
日本建築学会計画系論文集 第608号
ページ: 81-87
Proceedings The 6^<th> International Symposium on Architectural Interchanges in Asia, 2006 Volume I
ページ: 541-548
平成18年度日本建築学会大会学術講演梗概集(建築計画) F-1分冊
ページ: 889-890
ページ: 891-892