• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

ザゼンソウ脱共役タンパク質UCPの試験管内アッセイ系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18880004
研究機関岩手大学

研究代表者

稲葉 靖子  岩手大学, 農学部, 研究機関研究員 (80400191)

キーワード植物 / ザゼンソウ / 発熱システム / 脱共役タンパン質 / プロテオリポソーム / ミトコンドリア / 膜タンパク質
研究概要

本研究では発熱植物ザゼンソウの熱産生機構を明らかとするため、ミトコンドリア内膜に局在する脱共役タンパク質UCPの試験管内アッセイ系の開発を行った。UCPはミトコンドリアキャリアファミリーに属する6回膜貫通型のタンパク質で、膜の内外に形成されたプロトン濃度勾配を積極的に解消する過程で熱を出すと考えられている。我々の解析により、これまでザゼンソウで報告された2つのUCP(SrUCPAとSrUCPB)のうち、主として発現しているのはSrUCPA(典型的な植物UCPホモログ)であり、SrUCPB(5回膜貫通型のザゼンソウ型UCP)は検出されなかったため(Ito-Inaba et al., 2008)、SrUCPA-Hisタンパク質の試験管内アッセイ系構築を目指した。まず、SrUCPA-Hisタンパク質を小麦胚芽のライセートを用いて合成し、TALONアフィニティーレジンを用いて精製を行った。併行して、SPQ蛍光試薬を閉じこめたリポソームを調製して、膜を介したプロトンの移動により蛍光レベルが変化する系を構築した。調製したリポソームに精製したSrUCPA-Hisタンパク質を組み込んでSrUCPAを介したプロトン輸送活性の解析を行ったところ、UCP活性のアクチベーターである遊離脂肪酸に依存した蛍光レベルの変化が見いだされたものの、SrUCPAを組み込んでいない場合と比較して、その差はわずかであった。本結果は、SrUCPAタンパク質を精製する過程、或いはプロテオリポソームにSrUCPAタンパク質を再構成する過程で、UCPタンパク質の構造が変化して本来の活性の一部が失われてしまったことによるものと考えている。今後、SrUCPAの機能がより保持された状態でプロテオリポソームに再構成し、アッセイ系の改良を目指していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Characterization of the plant uncoupling protein, SrUCPA, expressed in spadix mitochondria of the thermogenic skunkcabbage2008

    • 著者名/発表者名
      Yasuko Ito-Inaba
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Botany 59

      ページ: 995-1005

    • 査読あり
  • [学会発表] 発熱植物ザゼンソウにおけるミトコンドリア脱共役タンパク質SrUCPAの解析2008

    • 著者名/発表者名
      稲葉 靖子
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      北海道札幌市、札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2008-03-22
  • [学会発表] Characterization of the plant uncoupling protein, SfUCPA, highly expressed in spadix mitochodnria of the thermogenic skunk cabbage2007

    • 著者名/発表者名
      Yasuko Ito-lnaba
    • 学会等名
      国際植物ミトコンドリア科学会議
    • 発表場所
      奈良県奈良市、奈良女子大学
    • 年月日
      20070625-28

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi