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2007 年度 実績報告書

結核菌を含むマイコバクテリアの細胞壁合成に関わるタンパク質の構造と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18880041
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

森 茂太郎  国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (60425676)

キーワード結核菌 / 細胞壁 / タンパク質 / 結晶化
研究概要

結核菌を含むマイコバクテリアが有している特徴的な厚い細胞壁構造の形成に関与しているタンパク質について、その機能と構造の解析を目的として種々の研究を行った。細胞壁構造の主要な脂質成分であるミコール酸の生合成に関与している2種類の結核菌由来酵素、Propionyl-CoA carboxylaseとAcyl-CoA synthetaseについて、大腸菌を宿主とした大量発現株を構築してSDS-PAGE上で単一バンドになるまで精製した。精製酵素を用い結晶化条件のスクリーニングを行い、得られた結晶を用いて放射光施設での回折データの収集を試みた。また、細菌の細胞壁構造には無機リン酸の重合体であるポリリン酸が関与しているとの報告例があることから、結核菌においてもポリリン酸と細胞壁構造との関連が予想された。そこでポリリン酸合成酵素である結核菌由来ポリリン酸キナーゼについて、大腸菌を宿主とした大量発現株を構築してSDS-PAGE上で単一バンドになるまで精製を行い、その詳細な酵素学的諸性質を明らかにした。その結果、結核菌由来ポリリン酸キナーゼは、溶液中では活性を保持している状態として6量体を形成していた。また、本酵素はATPを基質としてポリリン酸を合成する反応とその逆反応であるポリリン酸とADPを基質としてATPを合成する反応を触媒するが、速度論的解析からATPよりもADPに対する親和性の方が高いことが示された。両反応ともに、2価の金属イオンが活性の発現には必須であり、その濃度には至適濃度が存在していた。これらの研究結果より、結核菌の細胞壁構造に関与しているタンパク質の機能と構造の一端について明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 結核菌由来ポリリン酸キナーゼの機能解析2007

    • 著者名/発表者名
      森茂 太郎
    • 学会等名
      第90回日本細菌学会関東支部総会
    • 発表場所
      新宿区
    • 年月日
      2007-10-12
  • [学会発表] 結核菌由来ポリリン酸キナーゼの機能と結晶化2007

    • 著者名/発表者名
      森茂 太郎
    • 学会等名
      第59回日本生物工学会大会
    • 発表場所
      東広島市
    • 年月日
      2007-09-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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