研究概要 |
【平成18年度の研究目的】 HCV genotypeを特異的に定量する測定方法の開発 【平成18年度の研究実績】 1.HCV genotype 1,2,3に特異的なプライマーの設計と測定系の開発 各genotype遺伝子配列のマルチプルアライメント解析をおこなった結果,5'UTRでgenotype1,2,3に特異的なプライマーを設計し,(genotype 4はサンプル入手不可のため未作成)リアルタイムPCRによる定量方法を開発した。 (1)特異性 NS5B領域塩基配列によるHCV genotypeとの比較では一致率は100%であった。 (2)再現性 HCV RNA量が低,中,高値のgenotype1,2血清を10回測定した結果,CVは7.8〜26.0%であった。 (3)測定範囲 段階希釈血清を用いた検討では50〜3000 KIU/mlであった。 (4)検出限界 異なるgenotypeの混合血清を用いた検討ではgenotype1,2,3いずれにおいても混合割合0.01%まで検出が可能であった。 (5)相関 本法と市販HCV RNA定量キットとの相関は良好であった。 HCV genotype 1(N=54)はy=2.6623x-589.56,r=O.614,p<0.001 HCV genotype 2(N=14)はy=1.0527x+316.26,r=0.772,p<0.001 HCV genotype 3はサンプル数が少ない(N=2)ため統計処理不能であったが,2497 vs 3040,3659 vs 3320(本法vs市販キット)と良好であった。 【今後の展開】 HCV genotype 1定量に若干の改良が必要である。今後、これらの点を改善しHIV/HCV重複感染患者でHCV genotypeの測定をおこなう予定である。
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