今年度の研究補助金を利用して、慢性動物(ネコ)実験の設備を整えて、実験は順調に進んだ。昨年度の実験結果を踏まえ、ネコの鳴き声音に含まれたエッジ信号の神経表現を調べた。下記のことを発見した。 1)第一次聴覚野細胞はネコの鳴き声音に対して、主に二種類の反応パターンを示す。約三分の二の細胞(Phasic cells)は鳴き声の開始、終了或いは途中の振幅ピックに瞬時的な発火反応を示す、残り三分の一の細胞(Sustained cells)は鳴き声の発声中に持続反応を示す。 2)鳴き声音の音声パラメータと細胞の反応の関連を調べると、Phasic cellsは音声のエッジ信号検出し、Sustained cellsは周波数情報をコード化することを分かった。 以上の発見をまとめて、"Representations of cat meows and human vowels in the primary auditory cortex of awake cats"という論文を書いた。神経生理学の有名誌"Journal of Neurophysiology"に採用された。
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