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2006 年度 実績報告書

歯周病原性細菌における早産・低体重児出産に関する分子基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18890136
研究機関九州大学

研究代表者

瀧井 良祐  九州大学, 大学院歯学研究院, 助手 (00419558)

キーワード歯周病 / 早産低体重児出産 / ジンジバリス菌
研究概要

本研究は、実験動物に対しジンジバリス菌を投与した場合の妊娠期における母体および胎児への影響を通して、ヒトの早産・低体重児出産の予防を目的としている。まずマウスに様々な量的、時間的なジンジバリス菌の投与を行い、実験動物における早産・低体重児出産の系を確立した。その結果、ジンジバリス菌を投与し、量依存的に母体の子宮内での吸収、死産・早産を引き起こすのだが、等量(同CFU)の大腸菌およびジンジパイン欠損株よりも強力に早産・低体重児出産を引き起こした。ジンジバリス菌をマウスに投与した場合、血液中や肝臓および脾臓での菌数は経時的にクリアランスを受け減少するのだが、胎盤中の菌数はむしろ経時的な増加を示した。肝臓や脾臓では24時間後にはジンジバリス菌は全く見られなかった。また、種々の炎症性サイトカインは菌投与後に一過性に増加した後に定常状態まで減少していくのだが、胎盤中のサイトカイン濃度は菌投与後、高い値を推移し続け、胎盤が細菌の増殖に好都合な臓器であることがわかった。さらに本研究室で作成したジンジパイン欠損ジンジバリス菌を投与した場合、ジンジバリス菌に比べ炎症性サイトカインの誘導が大きく低下していた。さらに、ジンジパイン阻害剤を菌体と並行し投与を行うと、マウスの早産・低体重児出産は強く抑制され、ジンジパイン阻害剤投与が実験動物に対し、早産・低体重児出産の抑制に有効であることが示された。こうした胎盤の状態における胎児への影響は強力であり、本菌が産生するジンジパインが早産・低体重児出産に対し強い病原性を発揮していることが示唆された。この結果は、最終的にヒトの早産・低体重児出産の予防への応用へとつながる可能性を示唆する。現在、上記の結果を踏まえ、さらに詳細な解析を行っている。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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