1.ABCC11持続的発現細胞株の樹立 ABCC11 mRNAの全長を発現するように発現ベクターpcDNA3.1にクローニングし、これをLLC-PK1細胞株に導入してABCC11持続的発現細胞株を樹立した。しかしRT-PCRにてRNAレベルでのABCC11発現は確認できるのだが、Western blottingにおいてタンパク質レベルで発現が確認できない。ABCC11の持続的発現細胞株は継代を重ねると発現が消失すると考えられるため、Tet-Offの系で持続的発現細胞株を作成中である。この系が完成後に乾型、湿型での薬剤耐性能の差異を検討する。 2.MRP8膜タンパク質の薬剤取り込み能の検討 Baculovirusを用いたMRP8 membrane vesicle精製の系を作成した。これに3Hラベルした各種薬剤を取り込ませて、乾型、湿型での取り込み能の差異を検討する。現在、MRP8の基質として既知のcGMPを用いて作成した系の有用性を確認中である。 3.抗MRP8ポリクローナル抗体の作成・免疫染色 MRP8タンパク質の一部分をウサギに接種して抗MRP8ポリクローナル抗体を作成した。これを用いて耳垢腺、腋窩アポクリン腺組織の免疫染色を行った。MRP8は腺管上皮細胞のapical membraneに染色され、乾型の人の組織、湿型の人の組織では明らかな差異は認められなかった。引き続き電子顕微鏡を用いた検討を行っている。
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