研究概要 |
マウス気道における自律神経受容体のうちムスカリン性アセチルコリン受容体M1,M2,M3,M4をNorthern blottingを用いて発現を調べたところM2、M3が発現していることが判明した。発現量はM2受容体が強い発現を示したのに対し、M3受容体はわずかな発現にとどまった。M1、M4はNorthern blottingでは同定できなかったため、今後Real-timePCRなどを用いて発現を検討する予定である。M2、M3受容体に関して詳細な発現パターンを解析するため免疫組織化学法を用いて発現を調べた。マウスを深麻酔下に4%パラホルムアルデヒドを用いて灌流固定し、喉頭を摘出したうえで、凍結切片を作成した。一次抗体はウサギにて作成した抗M2、M3受容体抗体、二次抗体にはanti-rabbit Cy3を用いた。M2受容体は喉頭上皮の一部にシグナルを認めたものの、ノンスペシフィックな反応が多く、現在反応条件について検討中である。M3受容体に関しては明らかな発現を認めなかった。同様にラット喉頭を用いた実験も行っているが、まだ結果は出ていない。またM2、M3受容体のmRNAの発現をin situ Hybridizationでも検討を行うこととした。ジゴキシゲニン標識プローブをRT-PCRおよびサブクローニングを用いて作成し、免疫組織化学法と同様に作成したマウス喉頭の凍結切片で反応させたが、現時点ではっきりとした反応は認められていない。現在hybridizationおよび抗体反応の条件を振り分けて検討を行っているところである。
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