研究課題
OPTN遺伝子上流のプロモーター領域配列をサブクローニングして、レポーター遺伝子解析をHepG2細胞を用いて施行した。この際LPS刺激を加えて転写活性の誘導を図ったが、明らかな転写活性の上昇は認められなかった。ヒト由来マクロファージ・培養肥満細胞に対してLPS刺激を加え、実際のOPTN発現をリアルタイムPCR法にて定量したところ、定常的なOPTN発現を認め、LPS刺激によらずとも十分量のOPTNが炎症細胞において恒常的に産生されていることが明らかとなった。免疫組織染色により、ヒト線維柱帯組織を染色したところ、びまん性にOPTNタンパクの沈着が認められ、また、マスト細胞の浸潤部位に一致して、強いOPTN陽性染色を認めた。ぶどう膜炎に続発する緑内障では多くの症例では、多くの症例で炎症細胞の組織浸潤がみられ、OPTN遺伝子の発現上昇が予想されたため、続発緑内障の水晶体前嚢および虹彩組織の臨床サンプルを採取してリアルタイムPCR法でOPTN発現を定量し、非炎症眼のそれと比較したところ、炎症眼では優位なOPTN発現の上昇を認めた。しかし、もともとの眼組織での恒常的OPTN発現が高く、OPTNの病態生理への意義を明確に明らかにするまでにはいたっていない。また当初、OPTNタンパクは可溶型のタンパクであると考えられており、各種の実験系を構築して解析を施行したが、実際には眼内においてはOPTNは可溶型タンパクというよりは構造タンパクであり、線維柱帯マトリクス形成能に果たす役割など新たな研究展開の必要性が示唆された。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)
Journal of Ocular Pharmacology and Therapeutics 24
ページ: 230-234
American Journal of Ophthalmology 143
ページ: 154-155