九州工業大学大学院生命体工学研究科脳型計算機研究室(以下、脳型計算機研究室)及び九州歯科大学病態制御学分野(以下、病態制御学分野)と3者にて、口腔に適用できる立体視撮影装置のプロトタイプを製作し、評価を行なった. 本研究は、最終的に人工診断を行うことを目的としているが、1.コンピュータにのみ理解できる画像情報を収集し、既知の粘膜疾患ライブラリと照合する 2.人間にも理解できる一般的な三次元画像情報として収集し、人間のナッレジを人工診断アルゴズムに反映させる の2つの手段が考えられる。本研究の当初計画は、後者で行うこととしていたが、本システムの普及のためにも、人工診断に特化させる方式について、検討を行った。 その結果、対象物表面との距離が極めて近い環境では、光源との距離を初めとするセッティングが難しく、大きな補正を加えなければ、画像データとして利用できないことがわかった。また、人間の目で立体視化するための手段が取りづらく、画像ライブラリの撮影装置としての活用も困難であることが予想された。 2.の方法による撮影技術はある程度確立しているが、対象物が至近距離である場合、同様の問題が起きる。確実に回避する方法として、撮影距離を一定に保ち、かつ光源も固定化するなどの方法が考えられ、次年度の研究及び装置の製作に反映させる予定である。
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