(1)局在の検索:ICRマウス(5週齢)下顎切歯を含む顎骨を、タングステンナイフを用い川本法にて凍結非脱灰標本を作製した。一次抗体;Anti-Aldhla2 antibody(Santa Cruz)1:50、二次抗体;Alexa488標識anti-IgG(MolecularProbe)1:100にて免疫蛍光染色を行い、万能写真顕微鏡(UPM)にて観察した。発現は、歯胚側末端部の歯髄に限局して認められ、歯髄の分化に伴い減少し、象牙芽細胞への分化や硬組織形成以前に消失していった。又、ヒットしたマイクロアレイプローブを参照して、ISH用プローブを作成し、臼歯歯胚(E16〜P3)のAldhla2の局在検索を行ったところ、胎生期(E16、E18)における歯乳頭内に発現が認められた。 (2)発現の定量的検索下顎切歯より採取した歯髄を未分化側より(1)歯胚側(2)中間側(3)切端側と分割し、定量的リアルタイムPCR法とWestern Blotting法を用いて経時的な定量的発現変化を検索した。定量的リアルタイムPCR法は、Trizolを用いてtotal RNAを採取しTaqman[○!R] probe(Aldhla2;m0050136)、内因性コントロールにGAPDHを用いてABIPrism7700にて行った。ΔCT法解析により切端側を基準=1とした場合、歯胚側は中間側の約30倍の発現を示した。Western Blotting法は、一次抗体;Anti-Aldhla2 antibody 1:100、二次抗体;Polyclonal Rabbit Anti-goat immunoglobulin/HRC(DAKO)1:100を私用した。発現バンドは、歯胚側から徐々に減少し切端側では消失した。 (3)歯髄細胞の培養下顎切歯より採取した歯髄組織を30mm dishに播種しα-MEMにて培養した。14日間培養したものを4%パラホルムアルデヒドにて5分間浸漬固定し(1)の条件で免疫蛍光染色を行った。細胞増殖が強く密になっている部位では、細胞質内に強発現が認められた。又、qRT-PCR法では、歯胚側培養細胞に切端側と比較して約1.8倍の発現が認められた。
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