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2007 年度 実績報告書

ニコチンとLPSが破骨細胞前駆細胞の機能発現に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18890203
研究機関日本大学

研究代表者

田中 秀樹  日本大学, 歯学部, 専修研究員 (90434076)

キーワード破骨細胞 / ニコチン / LPS / 喫煙
研究概要

破骨細胞前駆細胞としてマウス由来株化単球/マクロファージRAW264.7細胞を用いた。破骨細胞の形成は、酒石酸耐性酸ホスファターゼ染色キットで細胞を染色して調べた。RAW264.7細胞のニコチン受容体(α3およびα7type)、RANKL受容体(RANK)、マクロファージコロニー刺激因子受容体(c-fms)、酸産生を担う炭酸脱水酵素II型、骨基質タンパク分解を担うマトリックス金属プロテアーゼ(MMP)-9およびカテプシンKの遺伝子およびタンパク発現は、それぞれreal-time PCR法およびELISA法/Wester blot法で調べた。ニコチン刺激後の細胞内シグナル伝達因子(ERK)のリン酸化は、Western blot法で調べた。
破骨細胞前駆細胞のニコチン受容体では、α7typeの受容体は検出されたが、α3typeは検出されなかった。α7type受容体発現には、ニコチン刺激の影響はほとんど認められなかったが、ERKのリン酸化はニコチン刺激によって顕著に増加した。また、ニコチン刺激によって増加したERKのリン酸化は、その阻害剤(PD98059)の添加によってコントロールレベルまで低下した。これらの結果から、ニコチンはRAW264.7細胞のα7typeのニコチン受容体に結合後、ERKを介してそのシグナルが伝達されることが示唆された。RAW264.7細胞のRANKおよびc-fmsの発現には、ニコチン刺激の影響はほとんど認められなかった。また、ニコチン刺激によって、RAW264,7細胞の炭酸脱水酵素II型の発現は増加したが、MMP-9およびカテプシンKの発現は低下した。これらの結果は、ニコチンが破骨細胞前駆細胞の機能発現とくに酸産生に深く関与していることを示しており、ニコチンは炭酸脱水酵素II型の発現増加を介して間接的に骨吸収を促進することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ニコチンは破骨細胞の炭酸脱水酵素II型とカテプシンKの発現を増加させる2007

    • 著者名/発表者名
      田中 秀樹
    • 学会等名
      第56回日本口腔衛生学会・総会
    • 発表場所
      東京 船堀
    • 年月日
      2007-10-04
  • [学会発表] Nicotine and lipopolysaccharide stimulate the formation of osteoclast-like cells by increasing macrophage colony-stimulating factor and prostaglandin E2 production by osteoblasts.2007

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Hideki
    • 学会等名
      29th ASBMR Annual Meeting
    • 発表場所
      Honolulu, Hawaii, USA
    • 年月日
      2007-09-16
  • [学会発表] 骨芽細胞の骨タンパク代謝におけるニコチンの影響2007

    • 著者名/発表者名
      上遠野 朋子
    • 学会等名
      第59回日本大学歯学会総会
    • 発表場所
      東京 千代田区
    • 年月日
      2007-05-19

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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