研究概要 |
今年度は主に以下の点に関して研究を行った。 (1)視神経挫滅モデルの作成:対象動物は8週齢のラットを用いる。麻酔はガス麻酔法を用い、左眼眼球直後にて眼循環を途絶しないように、4gの血管結紮クリップを用いて視神経を30秒間挫滅し、視神経挫滅モデルを作成した。 (2)骨髄間質細胞の分化・誘導:ラット骨髄間質細胞を用いる。ラット骨髄間質細胞は4週齢オスからの細胞を用いる。詳しい誘導法は(Dezawa M etal.Sciatic nerve regeneration in rats induced by transplantation of in vitro differentiated bone-marrow stromal cells. Eur J Neurosci,(2001),14(11),1771-6)に記載してあるが、約1ヶ月で目的のシュワン細胞への分化誘導が終了した。 (3)モデルへの脳脊髄液経由骨髄間質細胞由来シュワン細胞移植:モデル作成直後に、第4脳室から細胞移植を行う。細胞移植は100万個/100μlの細胞懸濁液として注入する事により行った。 (4)組織学的検討:光学・電子顕微鏡による観察と、免疫染色を行った。 (5)電気生理学的検討:Flash VEPを計測し、網膜や視神経の機能評価の検討を行った。 これらの研究結果を踏まえて、平成18年度は更に、実験固体数を増加させ、組織学的検討・分子生物学的検討・電気生理学的検討を行い、骨髄間質細胞由来シュワン細胞移植が視神経挫滅モデルに対して有効であるか否かを検討する。すでに、第110回日本眼科学会総会に現時点までの結果については報告した。
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