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2007 年度 実績報告書

体温調節機構におけるセロトニンの役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 18890230
研究機関東京福祉大学短期大学部

研究代表者

石渡 貴之  東京福祉大学短期大学部, こども学科, 講師 (40435235)

キーワード体温調節 / 神経伝達物質 / セロトニン / 正中縫線核 / マイクロダイアリシス
研究概要

脳内セロトニン(5-HT)は体温調節機構において重要な神経伝達物質であることが示唆されている。本研究では体温調節機構における5-HTの役割を解明するため、ナトリウムチャネルブロッカーであるテトロドトキシン(TTX)により、5-HTの細胞体が存在する背側縫線核(DRN)の神経活動を抑制した時の体温調節反応を測定した。また前年度行った、正中縫線核(MRN)の神経活動を抑制した時の体温調節反応と比較検討し、両部位の体温調節機構における機能的差異の考察を深めた。
実験は昨年度と同様に、無麻酔・無拘束ラットにおいて、マイクロダイアリシス法、テレメトリー法に加え、熱産生反応の指標の心拍数と熱放散反応の指標の尾部皮膚温の測定を行った。実験は全て明期の間に行い、全ての実験は測定開始から1時間を安静期間とした。測定開始60分後の平均体温、心拍数および尾部皮膚温を基準値として統計分析を行った。環境温度は23℃の下で行い、1時間の安静期間後にTTX(5μM)溶液の灌流を1時間行った。なお、TTX溶液灌流中以外は生理食塩水を灌流した。実験終了後にはプローブ挿入位置を染色し、脳を摘出し、ホルマリン固定後に脳部位の確認を行った。
DRNへのTTX灌流投与により、有意な体温低下(約3.5℃)が観察された。この体温低下に先立ち、熱放散反応の指標である尾部皮膚温は急激な上昇(約5℃)を示した。熱産生反応の指標である心拍数は変化しなかった。以上の結果より、DRNへのTTX灌流投与後に起きる体温低下は、主に熱放散が上昇したことによると考えられた。また、これらの結果は前年度行ったMRNへのTTX灌流投与時とほぼ同じであり、体温調節機構におけるDRN、MRNの機能的差異は無く、両部位からの5-HT投射の役割は、主に熱放散系に関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparison of the dorsal raphe nucleus and the median raphe nucleus in thermoregulation of freely moving rats2008

    • 著者名/発表者名
      Ishiwata Takayuki
    • 雑誌名

      The Journal of Physiological Sciences 58

      ページ: S100

  • [学会発表] 体温調節機構における背側縫線核と正中縫線核の役割比較2008

    • 著者名/発表者名
      石渡 貴之
    • 学会等名
      第85回日本生理学会大会
    • 発表場所
      東京(京王プラザホテル)
    • 年月日
      2008-03-25

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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