研究課題/領域番号 |
18900001
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川瀬 博 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (30311856)
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研究分担者 |
井上 公 防災科学技術研究所, 地震研究部, 室長 (80450253)
茂木 透 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80182161)
倉本 洋 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20234544)
山崎 文雄 千葉大学, 工学部, 教授 (50220322)
吉嶺 充俊 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教授 (80251338)
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キーワード | インドネシア / 地震被害 / 地震動 / ライフライン / 地盤災害 / RC造 / レンガ造 |
研究概要 |
2006年5月27日インドネシアのジャワ島のマグニチュード(M)6.3の地震によって、死者は5,700名以上、倒壊家屋14万戸以上という大被害が生じた。今回の地震被害の特徴は、地震規模が小さい割には極めて大きな人的、物的被害が発生していることである。そこで本研究では、震源位置を含めた震源特性や地盤構造・地盤特性を明らかにし、構造物の耐震性や被害状況からこのような大きな被害を引き起こした原因を解明することを目的として研究を実施した。 研究体制は大きく地震・地震動チーム、地盤構造チーム、被害概要・人的被害調査チーム、建築系調査チーム、土木系調査チームに別れ、現地調査および国内での解析作業を実施して検討に当たった。 まず地震・地震動チームでは余震観測を実施して余震の発生域を同定するとともに、地震観測データを利用して、詳細な震源メカニズムを推定した。その結果震源域は被害集中地域の直下もしくはその西側と推定され、Opak断層にはつながらないことが指摘された。 地盤構造については、地磁気・地電流法によって基盤形状を含めた堆積構造を明らかにするとともに、微動計測によって表層地盤構造を明らかにした。その結果、場所による被害の差は主に表層地盤構造にあることが指摘された。 建築構造物に関しては、まず地震前後に撮影された衛星画像を用いたリモートセンシング技術により、広域被害分布を明らかにした。また建物の地震被害について、実際の施行実態や地盤状況などから分析を行い、特にRC造および煉瓦造のいくつかの建物について原位置での強度試験を行うなどして、建物の耐震性を詳細に調査した。 また土木系構造物・地盤・ライフライン等の被害状況も調査しその被害原因について考察した。 以上の検討結果から、今回の地震では最大でも震度6弱レベルでそれほど大きな入力ではなかったが構造物が脆弱なために大被害が生じたものと推察された。
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