過冷却保存技術では、ドナー臓器を0℃以下で凍結せずに保存する。これは、4℃での従来の保存法と比較して、代謝の抑制と臓器の保存に大きな利点がある。この研究の目的は、我々は液体冷却装置と新しい保存および灌流液を使用して、新しい過冷却技術を開発したく、マウス心臓移植モデルを用いて、私たちの過冷却保存技術の保存効果を評価した。 本年度は、昨年度の予備実験の成果を踏まえ、マウス同系異所性心臓移植は、3つのグループを分け、実行した。(1)心臓移植片が採取直後に移植した非保存グループ;(2)従来のUW(University of Wisconsin)液保存したグループ:心臓移植片は、4℃のUW溶液にさまざまな時間で保存した;(3)過冷却グループ:心臓移植片は、-8℃の新しい過冷却保存溶液にさまざまな時間で保存した。それぞれのグループでの最大保存時間について検討した上、その機序の解明には24時間の条件下で、様々なサンプルを採取し、データを収集、解析し、過冷却保存と従来のUW液保存法を比較した。 結果として、まずは、私たちの技術で安定した-8°Cの過冷却状態をもたらした。心臓移植片の移植後の再拍動は144時間の過冷却保存後に成功し、96時間の過冷却保存後に長期生存が観察された。次に、心臓移植片において、心筋虚血再灌流障害、酸化ストレス関連損傷、心筋細胞アポトーシスなどの移植後の結果は、従来の4°C UW液保存と比較して顕著に改善された。 結論として、 -8°Cでの心臓の過冷却は、従来の4°C UW液保存と比較して、保存時間を大幅に延長し、移植後の心臓機能の指標を改善した。過冷却保存は臓器保存のための有望な技術であることを示唆した。
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