研究課題/領域番号 |
18F18006
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中澤 信幸 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (30413842)
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研究分担者 |
SONG JAE-HAN 山形大学, 人文社会科学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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キーワード | 日本呉音 / 韻書 / 法華経字音学 |
研究実績の概要 |
研究分担者・宋在漢は、2012年度に完成した「日本呉音の韻類体系の研究」博士論文以降、呉音研究の拡張として、韻書受容が法華経字音学(呉音)にどのように反映され、呉音の姿が現代まで続いているのかという、実証的研究に目を向けた。鎌倉時代、「韻鏡」の輸入により、読誦の場では伝承音と反切音との間に混乱が生じた。それで、法華経字音学でも、日遠・日相のように韻書・韻図などに基づいて積極的に読誦音を改変した学僧が出てきたが、宗淵や快倫などのように伝統的な読誦音を守ろうとした学僧も存在していた。 さて、呉音の特徴は多様であるが、この中で字音の重層性は現在まで呉音研究のテーマとして研究されてきた。先行研究では呉音の重層性は中古音受容に伴う時代差(あるいは層位)として認められてきた。しかし、報告者たちはそれ以外の原因として、韻書受容と伝承音との対立が重要な原因の一つに作用してきたのではないか、との可能性に着目した。 そこで、近世の法華経資料と音義類、「山家本法華経裏書」「妙法蓮華経補闕」「法華経随音句」を資料として、法華経字音学ではどのように読誦呉音を伝承してきたかについて検討した。なお、九条家本「法華経音」「法華経単字」「法華経釈文」「浄土三部経音義」、小倉肇(1995)『日本呉音の研究』(新典社)、小倉肇(2014)『続・日本呉音の研究』(和泉書院)の分韻表なども参考にし、通時的・実証的に読誦音の定着過程を考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近世の法華経資料と音義類のうち、「山家本法華経裏書」「妙法蓮華経補闕」「法華経随音句」について、おおむね半分以上の対照が終了した。また、新たに中世以前の法華経資料として、九条家本「法華経音」「法華経単字」「法華経釈文」「浄土三部経音義」も入手し、対照を始めた。 これまでの成果のうち、特に「山家本法華経」の「毘富羅(ビフラ)声」について、また日本呉音における清濁表記について、韓国の学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
近世の法華経資料「山家本法華経裏書」「妙法蓮華経補闕」「法華経随音句」について、残りの対照を完了させる。また、新たに導入した中世以前の法華経資料、九条家本「法華経音」「法華経単字」「法華経釈文」「浄土三部経音義」についても対照を進める。 これらの成果について、日本の学会で発表する。
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