研究課題
本研究では、フォノニック構造や音響メタマテリアルにおける弾性波伝搬挙動を解析し、弾性波伝搬挙動を制御する機能構造の実現に向けた基礎的知見を得ること、特に、薄板やはり等の部材が有する導波効果とフォノニック構造・音響メタマテリアルが有するバンドギャップ等の効果の組み合わせにより発現する特徴的な弾性波伝搬挙動を明らかにすることを目的としている。本年度の研究実績の概要は以下の通りである。(1)断面寸法を周期的に変化させた弾性はりに分布型のスプリングを付加した構造に対してブロッホ波解析により曲げ波の分散関係を求め、スプリング剛性によりバンドギャップが変化することを明らかにした。この結果に基づいて、スプリング剛性を軸方向に変化させることにより曲げ波を周波数に応じて特定の位置で遮断できることを示した。さらに、はりの表面に圧電素子を付加した場合の曲げ波伝搬解析法についても検討を行った。(2)断面寸法の分布が任意の多項式で表される弾性はりに対する曲げ波の理論解析法を定式化し、曲線状断面寸法分布を有する周期構造はりに対してブロッホ波解析により曲げ波の分散関係を求めた。この結果に基づいて、断面寸法の曲線形状を軸方向に変化させることにより曲げ波を周波数に応じて異なる位置で遮断するはり構造、および薄板の一部を周期構造はりの配列で置き換えることにより曲げ波を特定の位置に集束させる構造を設計し、有限要素法を用いた曲げ波伝搬解析により機能を確認した。(3)昨年度に行った、高さを空間的に分布させた多数の突起を有する薄板構造のSH0波(薄板面内に振動方向を有する横波型ガイド波)に対する集束機能やフィルタ機能に関する理論・数値解析を取りまとめて成果発表を行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Smart Materials and Structures
巻: 28 ページ: 115004 (14 pp)
10.1088/1361-665X/ab3ef0