研究課題/領域番号 |
18F18071
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 哲 京都大学, 理学研究科, 准教授 (80271005)
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研究分担者 |
RAMAMONJISOA NOELIKANTO 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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キーワード | 熱帯雨林 / 生態システム / マダガスカル / 栄養素再循環 / 両生類 |
研究実績の概要 |
マダガスカル東部に位置するアンダシベの熱帯雨林において、2つの野外調査を11月から1月にかけて行った。まず、4つの渓流において、オタマジャクシ相を明らかにするための調査を行なった。採集したオタマジャクシを分類して、DNAによる種同定のための組織サンプルを尾部から採取した。また、これらのオタマジャクシを小型の水槽の中に入れて、排泄物を採取し、渓流生態系の栄養素として重要なアンモニアとリンの排泄頻度を調べた。DNA分析の結果、27種のオタマジャクシが同所的に生息していることを確認した。また、アンモニアとリンの排泄量や頻度は種ごとに多様であること、近縁種ほど排泄の仕方は類似していることを明らかにした。 次に、渓流中のリター分解における、オタマジャクシによる物理的分解と微生物による化学的分解の重要性を評価した。主なリター構成種である2種の樹木の落ち葉を袋に入れ、9つの渓流に設置し、45日後のリター分解率を調べた。その結果、分解率や物理的分解と化学的分解の重要性の割合は、微環境や渓流の標高によって異なることがわかった。さらに、オタマジャクシがリター分解に及ぼす貢献度を野外エンクロージャー実験により評価した結果、オタマジャクシの存在はリター分解に影響するものの、その密度は関与しないという予想外の結果が得られた。また、分解におけるオタマジャクシの貢献度は、リターの種類により異なることが示された。さらに、オタマジャクシによる直接的な摂食の効果は、オタマジャクシの種によって異なることがわかった。 以上のことから、渓流生態系内での物質循環にオタマジャクシが重要な役割を果たしていることが明らかになり、その貢献の仕方はオタマジャクシの種によって異なり、多様な種が存在することが渓流生態系維持には欠かせないことが示された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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