研究課題
関節リウマチは最も罹患率の高い自己免疫疾患のひとつであるが、その病態形成のメカニズムは未だ不明な点が多い。炎症関節に局在する病原性細胞と特異的に発現する治療標的分子を同定することは、悪玉細胞特異的な除去による、既存の問題を克服する革新的な治療法の開発に繋がり、医学発展における貢献が非常に大きい。本年度では関節リウマチの滑膜組織を用いたbulk RNAseqデータ及びシングルセルRNAseqデータを既報論文やデータベースから入手し、統合して独自のヒトのbulk RNAseqデータ及びシングルセルRNAseqデータを構築した。関節リウマチの滑膜細胞で発現が上昇し、薬剤投与により発現が低下する遺伝子群の選定を試みた。ヒトbulk RNAseqの結果を統合し、関節リウマチ滑膜のT細胞、B細胞、滑膜線維芽細胞で高発現する遺伝子を複数同定することに成功した。関節リウマチシングルセルRNAseqデータのクラスター解析により、これらの遺伝子を高発現する細胞サブセットの有無を検討し、病原性細胞サブセットの同定へ繋げた。さらに、遺伝子改変マウスを用いた生体レベルでの機能の評価のため、着目した候補遺伝子を欠損したマウスの作製を試みた。本年度では、われわれは複数の遺伝子欠損マウスの樹立に成功した。今後コラーゲン誘導性関節炎などの関節リウマチマウスモデルを誘導し、関節スコアや病理学的解析・マイクロCT解析による病態評価を行い、関節リウマチにおける病原性細胞サブセットやその機能を司る候補遺伝子の同定に繋げていく予定である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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