研究課題/領域番号 |
18F18112
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
栗田 多喜夫 広島大学, 工学研究科, 教授 (10356941)
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研究分担者 |
MUTHUSUBASH KAVITHA 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-10-12 – 2021-03-31
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キーワード | 医療画像診断 / 機械学習 / 深層学習 / アルツハイマー病 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病の早期自動診断を目指して,PET画像の自動認識手法を開発する.アルツハイマー病の主な原因は,ベータアミロイドの堆積であると考えられている.最近,PETを用いて脳内のベータアミロイドの堆積を調べることでアルツハイマー病の症状を調べることが可能になってきている.本研究では,最近のディープラーニング等の機械学習手法を取り入れて,PETの3次元画像を解析し,アルツハイマー病の初期の症状を自動認識する手法を開発する.
本年度は,3D FDG-PET 画像を入力とし, アルツハイマーかどうかの識別と3つの状態(EMCI, LMCI,および,NC)を識別する課題を,U-Netと識別器を組み合わせたディープラーニングモデルに学習させることで,U-Netの出力にPET画像中のどの場所が影響しているかのマップの推定と識別を同時に実現することができ,しかも,従来の識別手法と比べても高い性能の診断ができることを示した.また,名古屋大学 脳とこころの研究センターと「多様な神経画像を使った人工知能による自動診断システムの開発」に関する共同研究を開始し,名古屋大学 脳とこころの研究センターで撮影したMRI画像等を利用した画像診断のための手法の開発を行っている.その他, CT画像を用いた肺ガンの自動診断のためのディープラーニング手法の開発し,韓国のKeimyoong University Dongsan Mdedica lCenterのHaeWonKim教授の元で撮影されたCT画像を用いて評価実験を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,当初の目標であるPETの3次元画像を解析し,アルツハイマー病の初期の症状を自動認識する手法の開発に取り組み,3D FDG-PET 画像を入力とし, アルツハイマーかどうかの識別と3つの状態(EMCI, LMCI,および,NC)を識別する課題を,U-Netと識別器を組み合わせたディープラーニングモデルに学習させることで,U-Netの出力にPET画像中のどの場所が影響しているかのマップの推定と識別を同時に実現することができ,しかも,従来の識別手法と比べても高い性能の診断ができることを示すことができた.この手法の性能を実応用につなげるため,名古屋大学 脳とこころの研究センターと「多様な神経画像を使った人工知能による自動診断システムの開発」に関する共同研究を開始し,名古屋大学 脳とこころの研究センターで撮影したMRI画像等を利用した画像診断のための手法の開発を行っている.また,ディープラーニングを利用した手法の他の画像診断への応用として, CT画像を用いた肺ガンの自動診断のためのディープラーニング手法の開発にも取り組んだ.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,ディープラーニングの画像診断への応用に関する研究を行う.また,名古屋大学 脳とこころの研究センターとの共同研究として,MRI画像等を利用した脳疾患の画像診断のための手法の開発を進める.
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