研究課題/領域番号 |
18F18308
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
久米 郁男 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30195523)
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研究分担者 |
WOO YU JIN 早稲田大学, 政治経済学術院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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キーワード | 外国人労働者受入 / 国籍 / 多文化主義 |
研究実績の概要 |
2019年度における研究実績は、以下の3点にまとめられる。 第1に、韓国における外国人労働者、貿易自由化、企業の海外直接投資に対してどのような議論が行われてきたかを、日本との比較において前年度に引き続き日韓両国における文献調査とインタビューを行い、整理し、両国において観察されるグローバル化に対する態度形成メカニズムが、どの程度一般化しうるかを検討するために、International Social Survey Programme (ISSP)が実施し蓄積している3波(1995,2003,2013年)の国別サーベイ調査データを用いた国家間比較分析を継続した。 第2に、日本人の「国籍」に対するパースペクティブにつき、既存の日本のエスニシティ研究をレビューし、日本の国籍法は血統主義を採用しており、「日本人」と見なされるには同じ民族である必要があると思われる傾向が高い(mono-ethnocentrism)ことを確認した上で、従来の研究が主として質的な研究にとどまっていた限界を超えるべく、2015年におこなったサーベイ・データを元に、現代の日本人の「日本人」に関する考えを計量分析を進めた。 第3に、日本と韓国の戦後の外国人政策は類似している部分が多いが、多文化政策が大きく異なる点に注目し、この政策が自国民の外国人への態度にどのような影響をもたらすのかを明らかにするコンジョイント分析を可能にするサーベイ実験の設計を行い、2020年度の実施に向けた準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1に、韓国における外国人労働者、貿易自由化、企業の海外直接投資に対してどのような議論が行われてきたかを、日本との比較において前年度に引き続き日韓両国における文献調査とインタビューを行い、整理し、両国において観察されるグローバル化に対する態度形成メカニズムが、どの程度一般化しうるかを検討するために、International Social Survey Programme (ISSP)が実施し蓄積している3波(1995,2003,2013年)の国別サーベイ調査データを用いた国家間比較分析を継続した。分析結果は、ほぼまとまっており予定通りである。 第2に、日本人の「国籍」に対するパースペクティブにつき、既存の日本のエスニシティ研究をレビューし、日本の国籍法は血統主義を採用しており、「日本人」と見なされるには同じ民族である必要があると思われる傾向が高い(mono-ethnocentrism)ことを確認した上で、従来の研究が主として質的な研究にとどまっていた限界を超えるべく、2015年におこなったサーベイ・データを元に、現代の日本人の「日本人」に関する考えを計量分析を進めた。これについても、興味深い分析結果を得ており問題なく進行している。 第3に、日本と韓国の戦後の外国人政策は類似している部分が多いが、多文化政策が大きく異なる点に注目し、この政策が自国民の外国人への態度にどのような影響をもたらすのかを明らかにするコンジョイント分析を可能にするサーベイ実験の設計を行い、2020年度の実施に向けた準備を行った。倫理審査までは終えられなかったが、実施に向けて順調にすすんでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究は以下の3課題を中心に行う。 1)日本人の「国籍」に対するパースペクティブ:日本の国籍法は血統主義を採用しており、「日本人」と見なされるには同じ民族である必要があると思われる傾向が高い(mono-ethnocentrism)。既存の日本のエスニシティ研究の殆どは質的事例研究に基づいている。2015年におこなったサーベイ・データを元に、現代の日本人の「日本人」に関する考えを計量分析してきたが、それを投稿論文として完成させる。 2)日本政府と韓国政府の多文化政策が自国民の外国人に対する認識に及ぼす影響:日本と韓国の戦後の外国人政策は類似している部分が多いが、多文化政策が大きく異なる。この政策は自国民の外国人への態度にどのような影響をもたらすのだろうか。コンジョイント分析を取り入れたサーベイ実験を用じて実証分析するため、両国でサーベイを行い、分析、論文執筆に取り掛かる予定である。 3)国籍法が国民の外国人に対する態度に及ぼす影響:アジアの諸国は主に血統主義を採用しており、各国の政府が比較的介入しやすい分野は帰化条件の変更である。日本、韓国、台湾、中国でのサーベイ実験を通して、各国での現在の国籍法の難しさや(または、容易さ)が各国民の外国人に対する態度にどの様な影響を与えるのかを実証分析し、投稿論文を完成させる。
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