研究実績の概要 |
トポロジカル絶縁体における異常ホール効果の観測を目的として、下記の研究を遂行した。 (1)一般的なエピタキシャル成長法を作製されたヘテロ界面と比較し、Wet Transfer 法を用いて、Bi1.5Sb0.5Te1.7Se1.3(BSTS)を純水中にてフローさせ、Cr2Ge2Te6(CGT)基板上にBSTS-CGTヘテロ界面を作製し、巨大異常ホール効果を観測した。Magnetic proximity effectの性質はCGT基板の質とトポロジカル絶縁体/CGT界面の方位に起因する。本研究で得られたMagnetic proximity effectは多様なFMI基板に応用可能であり、磁性トポロジカル絶縁体における学理と応用を見据えた研究が可能となる。本結果は、Phys. Rev. Materials 5, 024208に研究成果として掲載されている。また、これらの結果は東北大学Y.P.Chen研究室内のグループ内共同研究(松下助教など)として実施した。 (2)磁性トポロジカル絶縁体ヘテロ界面に用いるMn(BixSb1-x)2Te4をBi2Te3/Sb2Te3フラックス法にて作製することも成功した。これらの材料はSbのドープ量を調整することで二極性を調整することができる。現在、我々の研究では、このドープ量を調整し、30%程度まで調整が可能となっている。 これらの結果から、本研究の目的であるトポロジカル絶縁体における異常ホール効果の観測を更に進めることが可能となった。
|