研究課題/領域番号 |
18F18337
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
勝又 健一 東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, 准教授 (70550242)
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研究分担者 |
KHAN SOVANN 東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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キーワード | 量子ドット / 半導体ナノシート / 水分解 / 光触媒 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ボトムアップ法による多孔質ナノシート合成と液相プロセスによる量子ドット合成を融合して量子ドット/ナノシートヘテロ構造体を創製し、太陽光エネルギーで水を分解して水素を生成できる光触媒を開発することである。具体的には、以下の研究項目を実施する。 ・有機テンプレートを用いたZnSまたはZnO多孔質ナノシートの合成 ・ハイドライド系量子ドットと多孔質ナノシートの複合化によるヘテロ構造の創製 ・作製したヘテロ構造体の物性・光触媒特性(水分解水素生成能)の調査 2018年度は、「有機テンプレートを用いたZnSまたはZnO多孔質ナノシートの合成」を行った。有機テンプレートとして構造指向剤および表面パッシベーション剤の両方を有するエチレンジアミンを用い、エチレンジアミン水溶液にZn源、S源となる試薬を加えて、テフロン内筒密閉容器を用いてソルボサーマル処理することにより、層状ZnSナノシートを得ることができた。また、窒素雰囲気、または大気雰囲気中でアニール処理することにより、多孔質ZnSナノシートまたは多孔性ZnOナノシートの合成を試みたが、シート状の形態を維持することが困難であることが分かった。合成するにあたり、ソルボサーマルの処理温度、処理時間、およびアニール温度、時間を変化させて多孔質シートが得られる最適な合成条件を見出す必要があると考えられる。加えて、他の光触媒であるアナターゼ型TiO2とブロンズ型TiO2の合成に取り組み、両相が混相している状態で高い光触媒活性を示すことを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度の目的であったZnSまたはZnO多孔質ナノシートの合成まで達成できていないが、熱処理条件を最適化することで合成できる目途がたっている。さらに、2019年度の目的である量子ドットとの複合化について既に成果を出しつつある。加えて、他の光触媒であるアナターゼ型TiO2とブロンズ型TiO2の合成に取り組み、両相が混相している状態で高い光触媒活性を示すことを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度に合成したZnSまたはZnOナノシートとハロゲン化ペロブスカイト量子ドットを複合化し、水分解光触媒活性を評価しながら、複合化条件の最適化を行う。さらに、ナノシート上への量子ドット形成について、成長過程を明らかにする。
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