研究課題
本研究の目的は、ボトムアップ法による多孔質ナノシート合成と液相プロセスによる量子ドット合成を融合して量子ドット/ナノシートヘテロ構造体を創製し、太陽光エネルギーで水を分解して水素を生成できる光触媒を開発することである。具体的には、以下の研究項目を実施する。・有機テンプレートを用いたZnSまたはZnO多孔質ナノシートの合成・ハイドライド系量子ドットと多孔質ナノシートの複合化によるヘテロ構造の創製・作製したヘテロ構造体の物性・光触媒特性(水分解水素生成能)の調査2020年度は、ソルボサーマル法と熱処理を組み合わせることで、高い光触媒活性を有するZnS-ZnOナノシートによるヘテロ構造の作製を目指し、水分解水素生成能を調査した。ZnOは、ZnS/エチレンジアミンを空気雰囲気下で熱処理することにより、ZnSナノシート上に生成した。このとき、エチレンジアミンの分解により炭素がドープされ、可視光の吸収率が向上した。助触媒としてRhを光還元法によりZnS-ZnO粒子表面に担持した。光源として太陽光シミュレーターを用い、光照射下での水分解実験を行ったところ、犠牲剤を入れることなく水から水素を得ることができた。可視光域で高い活性を示したのは、炭素ドーピングによる欠陥生成による光吸収とZnS-ZnO間のZスキームヘテロ接合による効果的な電荷分離、そしてRh-助触媒/半導体間のショットキー接合によるものだと考えられた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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