研究課題/領域番号 |
18F18347
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
天野 浩 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60202694)
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研究分担者 |
AVIT GEOFFREY 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2020-03-31
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キーワード | InGaN / ナノロッド / トップダウン方式 / マイクロLEDディスプレイ |
研究実績の概要 |
研究目的は、フランス・クレルモンオーベーニュ大学において、シリコン基板上にハロゲン気相成長法を用いて成長した高In組成InGaNナノ ロッドを下地として用い、名古屋大学の当研究室にて、有機金属化合物気相成長(MOVPE)法を用いてp型のGaN及びInGaNでコアシェル構造を成長させ、透過電子顕微鏡やプローブ顕微鏡を用いて転位などの構造欠陥やpn接合界面のポテンシャル分布、電気的特性、 吸収特性、太陽電池特性等を評価することである。次にpn接合型シリコン太陽電池に上に高In組成InGaNナノロッドpn接合を成長することにより、平面と一次元の太陽電池のタンデム構造により、従来の平面構造のみ或いは一 次元構造のみのタンデムとは異なる、ハイブリッド構造による高性能太陽電池の試作を検討する。また、高In組成InGaNのディスプレイ応用についても検討する。 本年度は、これまで、ハロゲン気相成長(HVPE)法を用いてInGaNナノロッドの成長を行っていたが、HVPE法ではpn接合が出来ないため、LED作製が出来なかった。本年度は、LED作製が容易な二つの方法、一つはMOVPE法を用いてInGaN/GaN多重量子井戸(MQW)を成長後、トップダウン的にドライエッチングによりアキシャルタイプのナノロッドを作製する方法、もう一つは同じくMOVPE法を用いてボトムアップ的にGaNナノロッド上にアキシャルMQWナノロッドを成長させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、ハロゲン気相成長(HVPE)法を用いてInGaNナノロッドの成長を行っていたが、pn接合が出来ないため、LED作製が出来なかった。本年度は、LED作製が容易な二つの方法、一つは有機金属化合物気相成長(MOVPE)法を用いてInGaN/GaN多重量子井戸(MQW)を成長後、トップダウン的にドライエッチングによりアキシャルタイプのナノロッドを作製する方法、もう一つは同じくMOVPE法を用いてボトムアップ的にGaNナノロッド上にアキシャルMQWナノロッドを成長させた。GaNナノロッド上へのMQWの場合、(0001)面のほかに半極性(10-12)面、(10-13)面が形成され、それぞれの面でIn組成及びInGaN量子井戸膜厚が異なるため幅広い3つの発光波長ピークが観察された。一方、トップダウンで作製したMQWは(0001)面のみのため、幅の狭い単一ピーク発光が観察された。さらに興味深いことに、ナノロッド直径を800 nmから200 nmと細くするにつれて、発光ピーク波長は加工前の二次元MQWの場合575 nmであったものが、径が細くなるにつれてブルーシフトし、200 nm径のナノロッドでは545 nmと30 nmもの短波長側シフトが観測された。この原因は、1.ナノロッド化による歪緩和の影響、あるいは、2.側壁部空乏層の広がりが考えられる。応用上、ナノロッド径制御による発光波長制御の可能性が期待されるため、今後、その原因の解明と波長制御の可能性を検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今回の研究により、作製が容易なトップダウン方式を用いて、1回のMOVPE成長でナノロッド直径を変えるだけで発光波長制御が可能であることが初めて分かったので、今後そのメカニズムを解明するとともに、極限の細さのナノロッドを作製し、ピーク波長制御範囲を確認する。さらに青色MQWや緑色MQWをナノロッド加工し、発光ピーク波長シフトの違いを確認する。今回は、成長はMQWまでであったが、次回は二次元のLED構造を用いてトップダウン型のナノロッドLEDを作製し、PL発光との比較を行うとともに、AR用マイクロLEDディスプレイへの応用の可能性を検討する。
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