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2018 年度 実績報告書

低消費電力スピントロニクスを指向した電気駆動型垂直磁化マルチフェロイクス

研究課題

研究課題/領域番号 18F18353
研究機関名古屋大学

研究代表者

谷山 智康  名古屋大学, 理学研究科, 教授 (10302960)

研究分担者 ZHENG MING  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2018-11-09 – 2021-03-31
キーワード磁性 / スピントロニクス
研究実績の概要

本研究では、強磁性体と強誘電体とからなるマルチフェロイクへテロ構造を利用することで、電流を用いない電界のみによる磁化配向制御の実証とその物理機構の解明を目的としている。本目的を達成するために本年度は以下の研究項目を実施した。
(1)強磁性体/PMN-PTへテロ構造の高品質形成
巨大な逆圧電効果が期待できるPMN-PT基板上にMBE法およびPLD法を併用することで金属強磁性/PMN-PTへテロ構造を作製した。金属強磁性体としてFeおよびFeRh合金を採用した。Fe薄膜については直接PMN-PT基板上にエピタキシャル成長することをX線回折により確認した。一方、FeRh薄膜は界面での反応が顕著となることが明らかとなったため、界面にSrTiO3超薄膜をPLD成長により挿入することで良好なヘテロ構造を作製することに成功した。
(2)強磁性体/PMN-PTへテロ構造の磁気特性および強誘電特性の評価
作製したヘテロ構造に対して、振動試料型磁力計を用いて磁気特性を評価した。その結果、Fe/PMN-PTへテロ構造では明瞭な面内4回対称磁気異方性を確認した。また、強誘電特性評価装置を用いて分極-電界曲線を測定し、抗電場が4.4kV/cmであることを確認した。さらに、FeRh/PMN-PT薄膜では、磁気特性評価に加え異なる分極方向に対して強磁性共鳴を測定し明瞭な強磁性共鳴ビークを観測することに成功した。その結果、PMN-PTの異なる2方向の残留分極状態に対して、FeRhの強磁性共鳴スペクトルが変調を受けることが明らかとなった。このスペクトルの変調効果は分極に依存する界面磁気異方性の変調効果として理解される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初計画していた強磁性体/PMN-PTへテロ構造の高品質形成、磁気・誘電特性評価に加え、強磁性共鳴測定を実施し、さらに次年度以降の計画であった電圧印加により誘起される界面歪みが磁気異方性に与える影響についての知見が予定を前倒しして得られているため。

今後の研究の推進方策

作製した試料および他の強磁性体とのヘテロ構造に対して、電界印加に伴う磁気異方性の変調効果を磁気光学Kerr効果を用いて評価し、電界と磁気異方性との相関を明らかにする。これにより、磁気異方性の微視的な物理起源である界面スピン-軌道相互作用とその電界効果の物理機構の明確化を図る。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] ホームページ

    • URL

      www.j-group.phys.nagoya-u.ac.jp

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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