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2018 年度 実績報告書

多目的利用可能な高耐久性ナノ構造レドックス電極触媒担持導電性酸化チタンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18F18372
研究機関大阪府立大学

研究代表者

井上 博史  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00213174)

研究分担者 NAIK KEERTI  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2018-11-09 – 2021-03-31
キーワード酸素欠損酸化チタン / ナノシート / 水素化マグネシウム / 還元剤
研究実績の概要

(1) 酸素欠損酸化チタンTiOxの合成法の確立
市販のTiO2(ルチル構造)粉末と水素化マグネシウム粉末を質量比1:4で混合後、加圧成型してペレットにし、アルゴン気流中、400~500℃で2時間熱処理した。その後、酸洗浄、水洗浄した後、真空乾燥することにより黒色粉末を得た。X線回折(XRD)測定より、450℃と500℃での熱処理で得られた黒色粉末はTi2O3の結晶構造に一致することが分かった。これに対して、400℃での熱処理で得られた黒色粉末には原料のTiO2が多く残っていた。
(2) 高表面積をもつTiO2の合成
チタン酸テトラブチルとフッ酸を用いた水熱合成によりTiO2ナノシート(TiO2-NS)を合成し、TiO2-NSをNaBH4で還元することにより酸素欠損酸化チタンナノシート(TiOx-NS)を合成する方法を確立した。TiO2-NSとTiOx-NSの比表面積はそれぞれ109.3 m2g-1と109.0 m2g-1であり、市販のTiO2粉末の10倍以上の比表面積をもつことが明らかになった。
XRD測定より、TiO2-NSもTiOx-NSもアナタース構造をもつことが分かった。Raman分光分析より、TiOx-NSはTiO2-NSに似たRamanスペクトルを示したが、TiOx-NSの各ピークは高波数側にシフトし、Ti-O結合の振動に起因する100~200 cm-1のピークがブロードになった。このことはTiOx-NSが酸素欠損していることを示唆している。TiOx-NSのTi2p核準位スペクトルも酸素欠損を示唆していた。UV-Vis吸収スペクトルより、TiOx-NSはTiO2-NSよりバンドギャップが小さくなることが分かった。このことも酸素欠損に起因している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、(1)酸素欠損酸化チタンTiOxの合成法の確立、(2) 高表面積をもつTiO2の合成ともに成功した。(1)においては、還元剤を用いるとより低温でTiOxが生成することを明らかにし、(2)においては、ナノシート状のTiOxの合成に成功した。

今後の研究の推進方策

今年度の結果を受けて、まず、以下の2点について重点的に検討する予定である。
(1) 酸素欠損酸化チタン上へのPtナノ粒子の担持法の確立
(2) Pt/TiOx触媒層および膜-電極接合体の作製法の確立および燃料電池特性の評価
以上の検討により、Pt/TiOx触媒が市販のPtナノ粒子担持カーボン触媒(Pt/C)の優位性について明らかにしたい。さらに、酸素欠損酸化チタンを担体として用いる電極触媒、例えば、酸素発生反応、水素発生反応、二酸化炭素還元などの電極触媒開発のための基礎データを収集する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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