研究実績の概要 |
本研究では、競合する熱電物性の制御原理を新規に発展させて、広範囲実用化に初めて資する高性能な熱電材料を開発する。半年でしたが、本年度の顕著な成果として、早くもGeTe系において、磁性イオンドーピングによる電子状態・散乱機構の制御によるパワーファクターの増強の実現を目指す研究の過程で、磁性元素を含めて一連の遷移金属のGeTeへのドーピングという本材料においては斬新で珍しい試行を行った結果、Tiドーピングにおいて予想外の顕著な成果を得た。すなわち、Tiドーピングによって、GeTe化合物の結晶場が制御され、その結果、電子状態・散乱機構が制御されて、電気伝導率とゼーベック係数の組み合わせから成るパワーファクターが大幅に増強された。これに伴い、総合的な熱電性能を表す指数であるZTの顕著な増強、ZT~1.6、が得られた。本成果は、論文としてまとめられ、著名なMaterials Today Physics誌にアクセプトされたところである。(Jing Shuai, Xiaojian Tan, Quansheng Guo, Jingtao Xu, Alain Gellé, Régis Gautier, Jean-François Halet, Fainan Failamani, Jun Jiang, and Takao Mori, “Enhanced Thermoelectric Performance through Crystal Field Engineering in Transition Metal Doped GeTe”, Materials Today Physics in press (2019). Doi: 10.1016/j.mtphys.2019.100094)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、競合する熱電物性の制御原理を新規に発展させて、広範囲実用化に初めて資する高性能な熱電材料を開発する。半年でしたが、本年度の顕著な成果として、早くもGeTe系において、磁性イオンドーピングによる電子状態・散乱機構の制御によるパワーファクターの増強の実現を目指す研究の過程で、磁性元素を含めて一連の遷移金属のGeTeへのドーピングという本材料においては斬新で珍しい試行を行った結果、Tiドーピングにおいて予想外の顕著な成果を得た。すなわち、Tiドーピングによって、GeTe化合物の結晶場が制御され、その結果、電子状態・散乱機構が制御されて、電気伝導率とゼーベック係数の組み合わせから成るパワーファクターが大幅に増強された。これに伴い、総合的な熱電性能を表す指数であるZTの顕著な増強、ZT~1.6、が得られた。本成果は、論文としてまとめられ、著名なMaterials Today Physics誌にアクセプトされたところである。(Jing Shuai, Xiaojian Tan, Quansheng Guo, Jingtao Xu, Alain Gellé, Régis Gautier, Jean-François Halet, Fainan Failamani, Jun Jiang, and Takao Mori, “Enhanced Thermoelectric Performance through Crystal Field Engineering in Transition Metal Doped GeTe”, Materials Today Physics in press (2019).)
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