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2018 年度 実績報告書

miRNAを介した細胞競合制御機構の遺伝学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 18F18382
研究機関京都大学

研究代表者

井垣 達吏  京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00467648)

研究分担者 WANG ZHAOWEI  京都大学, 生命科学研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2018-11-09 – 2021-03-31
キーワードmicroRNA / 細胞競合 / ショウジョウバエ
研究実績の概要

上皮組織中に生じた極性崩壊細胞やタンパク質合成能低下細胞は、正常細胞に囲まれると組織から積極的に排除される。このような細胞間相互作用を介した細胞排除現象は、「細胞競合」と呼ばれている。受入研究者である井垣らのグループはこれまで、極性崩壊細胞が細胞競合により排除されるという現象を見いだし、その分子機構の多くを明らかにしてきた。一方で、タンパク質合成能低下細胞が細胞競合により排除される機構とその生理的意義はいまだ不明である。外国人特別研究員のZhaowei Wang博士は、受入研究者の研究室にて研究を行い、タンパク質合成能低下細胞が引き起こす細胞競合にmiRNA機構が重要な役割を果たすという興味深い事実を発見した。そこで本研究では、ショウジョウバエ遺伝学を駆使し、miRNA機構が細胞競合を制御する分子機構を明らかにすることで、タンパク質合成能低下が誘発する細胞競合機構とその生理的意義の解明に迫る。これまでの本研究により、ショウジョウバエ成虫原基においてmiRNAの生合成に必要なDicer-1をノックダウンすると、タンパク質合成能低下が誘発する細胞競合が強く抑制されることを見いだした。平成30年度は、この細胞競合の抑制を司るmiRNAの候補分子をスクリーニングし、これを同定することに成功した(miR-Xと呼ぶ)。さらに、miR-Xの下流でJNKシグナルが活性化することを見いだした。JNKシグナルはタンパク質合成能低下が誘発する細胞競合に関与することが報告されており、さらなる解析によりこの現象のメカニズムの本質に迫れる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、miRNAの生合成に必要なDicer-1の活性がタンパク質合成能低下が誘発する細胞競合に必要であるという予備的知見に基づき、細胞競合におけるmiRNAの役割とその分子機構をショウジョウバエ遺伝学を用いて明らかにしようとするものである。これまでの解析により、細胞競合に必要なmiRNA(miR-Xと呼ぶ)を同定することに成功するとともに、その下流で細胞競合への関与が報告されているJNKシグナルが活性化することを見いだしている。以上のように、本目的を達成するための重要な鍵となると考えられるmiRNAの同定にすでに至っており、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

今後は、miR-Xについて詳細な遺伝学的解析を行い、その分子機構の解析を進める。miR-Xの標的遺伝子候補群をすでに見いだしており、それらに着目しながら遺伝学的解析を進める。一方で、これまでに当研究室で見いだした細胞競合制御メカニズムとmiRNA経路との接点も見えてきており、その分子リンクについても並行して解析を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 京都大学大学院生命科学研究科システム機能学分野井垣研究室HP

    • URL

      http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/genetics/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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