研究課題/領域番号 |
18F18392
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 健司 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (50202263)
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研究分担者 |
CHEN BIN 九州大学, システム情報科学研究院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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キーワード | 金属ナノ粒子 / ナノドット / プラズモニックセンサ / 環境汚染ガス / バイオジェニックガス |
研究実績の概要 |
金属ナノ粒子の構造を調整したナノドットを開発した.様々な合成条件や金属材料を検討することにより突起を持つナノ粒子,ダンベル状のナノ粒子など特異的な形状を持つ金属ナノ粒子の開発に成功した.また,ガラス基板上への堆積技術を調査し,局在プラズモン共鳴特性に優れ,高い化学物質応答を持つセンサ基板を開発した.さらに,環境汚染ガスとバイオジェニックの検知ノードとしてセンサ化する事を目指し,異なる形状と組成を持つ金属ナノドットと分子インプリント材料の組成により実現し,光学的に検知可能なデバイス化を行なった.また,物質選択性について共存する有機系の匂い成分への応答性を調査し,ナノドットのガス応答メカニズムについて検討し,分子インプリント材料とナノドットのナノスケールでの適切な配置技術を検討し,より高感度で選択性が高いガス応答材料を検討した.実際にナノドット材料の構造や組成によるガス応答の変化についても研究開発を行い,バイオジェニックガスとして植物からのテルペン類に選択的なセンサデバイスを分子鋳型ゾルゲルのナノ薄膜を用いることで作成した.開発した特異的な形状を持つ金属ナノ粒子は,強い近接場光を生成する集積構造を持つため,プラズモニックガスセンサや表面増強ラマン散乱を併用する可能性についても調査した.また,センサノードとしてポータブルな光学式プローブ形状を検討し,持ち歩きが可能な簡易・高速なセンサノードのセンサセル構造を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,センシング材料,センサノードの方式や構造の検討,検知対象ガスについての応答について研究開発を実施し,結果を得ている.今後,材料の検討と高感度ポータブルセンサノードの開発を推進する.
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今後の研究の推進方策 |
開発に成功したナノドットをアレイ化したセンシングデバイスを構築する.デバイスは環境汚染ガスとバイオジェニックの検知ノードとしてセンサ化する事を目指す.その際,センサノード化するために,センサデバイスと検知システムを接続したデータ収集が可能となるシステムを構築する.センサアレイは異なる形状と組成を持つ金属ナノドットと分子インプリント材料の組成により実現し,光学的に検知可能なデバイス化を行う.そのために,光学系を構築し,暴露されたガスの流れを可視化する技術についても検討する.また,物質選択性について共存する有機系の匂い成分への応答性を調査し,ナノドットのガス応答メカニズムについて検討し,センサ材料としての性能向上を図る.その際,分子インプリント材料とナノドットのナノスケールでの適切な配置技術を検討し,より高感度で選択性が高いガス応答材料を実現する.さらに,ナノドット材料の構造や組成によるガス応答の変化についても,調査・検討を行う.また,バイオジェニックガスとして植物からのテルペン類に選択的なセンサデバイスを構築し,ナノドットの形状と組成の調整によってより高感度な検知を目指す.さらに,表面増強ラマン散乱を併用することで,検知対象分子の分子指紋取得と超高感度検知を実現し,環境ガスのモニタリングが可能な技術の基盤を構築する.加えて,センサノードとしてポータブルな光学式プローブ形状を検討し,持ち歩きが可能なセンサノードと据え置きによる多点測定が可能な光学検知システムを構築する.ポータブル環境ガス検知においては,オンサイトでガスの種類や分布を高速にスキャンできる実用的システムについても検討を行う.
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