研究課題/領域番号 |
18F18399
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80301802)
|
研究分担者 |
TUVSHINTULGA BUMDUUREN 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2018-10-12 – 2021-03-31
|
キーワード | ヒトバベシア病 / Babesia microti / ジミナゼンアセテート / MMV021057 / MMV675968 / MMV021057 / 多剤併用治療法 / 耐性 |
研究実績の概要 |
バベシア原虫(Babesia microti)の感染に起因するヒトバベシア病は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの国々で報告が広がっており、新たな新興感染症として注目されている。しかしながら、本原虫病に対する効果的で、低コストで、低毒性の治療薬が未だ確立されていない。そこで、マウス感染モデル評価系を用いて、既存薬剤が効かないヒトバベシア病にも対峙できる併用治療法を開発する。具体的には、1)感染原虫を迅速に排除でき、2)安全に長期間の薬剤効果を持続でき、3)既存薬剤の治療から出現する耐性原虫に対しても効果を示し、かつ4)容易に耐性原虫の出現を許さない多剤併用治療法の確立を目指す。
平成31年度では、1)家畜のピロプラズマ病の治療薬として知られるジミナゼンアセテートに対して不安定な耐性能を獲得するバベシア原虫が出現することを明らかにし、また2)Medicines for Malaria Venture財団が提供するPathogen Boxの400の化合物ライブラリーから、ヒトバベシア病の新たな治療薬として期待できるMMV021057、MMV675968、及びMMV021057を発見した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存薬に対する耐性原虫の出現を証明できたこと、並びに新たな治療薬の候補を発見できたことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
抗バベシア効果が知られているクロファジミン(clofazimine)もしくはアジスロマイシン(azithromycin)が、アドバコン治療から出現する耐性原虫に対しても治療効果を示すか否かを、マウス感染モデルを用いて評価する。さらに、様々な治療薬の組み合わせによる併用治療効果をそれぞれ比較することで、容易に耐性原虫の出現を許さない多剤併用治療法の確立を試みる。さらに最終年度として、これまで得られた成果を取りまとめ、国際学術雑誌へと投稿する。
|