研究課題/領域番号 |
18F18415
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
稲垣 毅 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (10507825)
|
研究分担者 |
VARGAS-TRUJILLO DIANA 群馬大学, 生体調節研究所, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2018-10-12 – 2021-03-31
|
キーワード | エピゲノム / 脂肪細胞 / RNAメチル化 |
研究実績の概要 |
RNAのメチル化はRNAの安定性やmRNAの翻訳制御に関与することが報告されているが、DNAメチル化やヒストンの翻訳後修飾といったエピゲノム機構に比べて詳細な分子機構に未解明な点が多く残されている。本研究では、RNAメチル化制御因子の発現が脂肪細胞分化過程において変化するという基礎データに基づき、RNAメチル化修飾(N6-メチルアデノシトシン(m6A)など)による脂肪細胞の性質制御機構を解明することを目的とし、本年度からRNAメチル化制御因子に注目して検討を開始した。はじめに、脂肪細胞分化過程におけるRNAメチル化制御因子が脂肪細胞分化に与える影響を検討するためのスクリーニング系細胞の樹立を行った。各RNAメチル化制御因子群の遺伝子領域を標的とするガイドRNAをBenchlingソフトウェアで設計した。設計したガイドRNA配列を含む発現ベクターを作製したうえで、PlatE細胞への遺伝子導入を行い、レトロウィルスを調整した。また同様の手法を用いてCas9発現レトロウィルスを準備して3T3-L1細胞に感染させ、薬剤耐性スクリーニングを行うことでCas9強制発現細胞株を樹立した。この細胞に各RNAメチル化制御因子群の遺伝子領域を標的とするガイドRNAを発現させたレトロウィルスをそれぞれ感染させ、薬剤耐性スクリーニングを実施することでCRISPR-Cas9システムに基づくスクリーニング系細胞を樹立した。さらにこれらの細胞を利用して、RNAメチル化制御因子が脂肪細胞分化に与える影響のスクリーニングに取り掛かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度に実施を予定していたとおり、各RNAメチル化制御因子群の遺伝子領域を標的とするgRNAを設計してレトロウィルスを作製した。さらにCas9強制発現細胞株を樹立したうえで、gRNA発現ウィルスを感染させてスクリーニング系細胞の樹立に至っており、すでにスクリーニングに取り掛かりはじめていることから、当初の計画以上に進展しているものと評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
現在まで順調に計画が進んでいることから、引き続き予定通り研究を進める。本年度樹立したスクリーニング系細胞を用いて脂肪細胞分化に影響を与えるRNAメチル化制御因子のスクリーニングを進める。
|