研究課題/領域番号 |
18F18702
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉村 忍 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90201053)
|
研究分担者 |
ZHENG ZUMEI 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2021-03-31
|
キーワード | 数値解析 / MPS/FEMカップリング手法 / 境界モデル / ハイドロプレーニング現象 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、自動車の安全性向上に資するハイドロプレーニング現象の数値解析手法を構築することが目的とし、有限要素法によるタイヤの変形および路面との接触・摩擦を含む超弾性解析と、粒子法(MPS法)による自由表面流れ解析を用いた流体構造連成解析手法の開発を行っている。 令和元年は、まず、MPS法における高精度壁境界モデルを開発し、これに関する二次元空間での研究結果をまとめて、計算力学の分野でインパクトの高い論文誌であるComputational Mechanicsにジャーナル論文を投稿し、掲載された。次に、上記の高精度壁境界モデルの三次元空間への拡張を行い、既存のベンチマーク(ダム崩壊や回転するギヤ数値実験)解析結果と比較を行うことで、開発したモデルの精度および妥当性の検証を行った。また、本研究のターゲット問題であるハイドロプレーニング現象の解析するため、高精度壁境界モデルを導入したMPS法流体解析と有限要素法構造解析との連成手法の開発を並行して行った。流体構造連成界面において、開発した壁境界モデルのghost cellを構造解析メッシュを用いて直接的に構築し、ghost cellの積分点に流体から構造側への作用力を計算する方法を考案した。開発した流体構造連成手法は、今広く用いられているghost particleモデルより、高精度かつ高効率というメリットである。また、既存のダム崩壊数値実験を行って開発した連成方法の精度および妥当性の検証を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年は、まず、MPS法における高精度壁境界モデルを開発し、これに関する二次元空間での研究結果をまとめて、計算力学の分野でインパクトの高い論文誌であるComputational Mechanicsにジャーナル論文を投稿し、掲載された。次に、上記の高精度壁境界モデルの三次元空間への拡張を行い、既存のベンチマーク(ダム崩壊や回転するギヤ数値実験)解析結果と比較を行うことで、開発したモデルの精度および妥当性の検証を行った。また、本研究のターゲット問題であるハイドロプレーニング現象の解析するため、高精度壁境界モデルを導入したMPS法流体解析と有限要素法構造解析との連成手法の開発を並行して行った。流体構造連成界面において、開発した壁境界モデルのghost cellを構造解析メッシュを用いて直接的に構築し、ghost cellの積分点に流体から構造側への作用力を計算する方法を考案した。開発した流体構造連成手法は、今広く用いられているghost particleモデルより、高精度かつ高効率というメリットである。また、既存のダム崩壊数値実験を行って開発した連成方法の精度および妥当性の検証を行った。 以上、全体として、研究は従来の計画通り順調に進捗しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年は、開発したMPS/FEM連成手法のGPU並列アルゴリズムを提案し、並列化効率の評価や関連する実験データと比較を行うことで、実装したソルバーの精度および性能の検証を行う。その上で、タイヤの精密有限要素モデルを構築し、開発したソルバーを用いて、本研究のターゲット問題であるハイドロプレーニング現象の解析を実施する。また、既存の実験データ等を用いて、解析結果の精度検証を行う予定である。
|