金型鋳造Mg-4Sm-xYb-0.6Zn-0.4Zr合金の微細構造と特性に及ぼす異なる含有量の希土類SmとYbの影響を調べた。Ybの添加によって明確な結晶粒微細化が生じた。Ybの含有量が3wt%の場合、平均結晶粒径が23.3μmまで微細化した。Mg-4Sm-xYb-0.6Zn-0.4Zr(x = 0 to 3 wt%)合金は鋳造したままの状態において主に2種類の相から構成されていることが分かった。 1つはデンドライト状のMg24RE5相(FCC構造、格子定数a=1.12 nm)、もう1つは平板状Mg5RE相(FCC構造、a=2.22 nm)であり、これらの二相の配向関係は(200)Mg5RE||(-110-2)Mgおよび、[012]Mg5RE||[-24-23]Mgであった。合金の最適化固溶体プロセスは515℃-4時間から520℃-2時間であった。熱水焼入れ処理によって合金の伸びは大幅に増加したが、降伏強度の減少はわずかであった。200℃で時効すると、Yb添加効果によって析出量が増加するため、合金のピーク時間が短縮された。TEM観察により、ピーク時効状態の析出物は主にβ'相および少量のβ''相であることが明らかになった。1.5%Yb合金を時効することで、市販のWE43合金よりも優れた機械的特性を示した。Ybの含有量が異なるMg-4Sm-xYb-0.6Zn-0.4Zr合金は、鋳造したままおよびピーク時効の両条件下で延性をさほど低下させずに機械的特性を大幅に改善することができた。特にMg-4Sm-3Yb-0.6Zn-0.5Zr合金において最大の破断強度および降伏強度が得られ、それらの値は鋳造したままの状態でそれぞれYb無添加材に比べて約22%と20%増加、ピーク時効状態で18%と19%の増加となった。
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