世界経済活動のグローバル化に伴って、国際電子商取引や人工知能、ブロックチェーン、ビッグデータ解析など、ICTを代表とする様々なシステム情報技術が国際貿易活動に取り入られ、実応用が展開されている。 本研究は、ICTを代表とする最新のシステム情報技術が国際規模の貿易活動に与える影響について、実際の各国の経済データをもとに、数理モデルの構築及び解析を行う。ICT技術の進歩でより安心安全かつWin-Winな貿易活動経済モデルを提案している。 具体的な国際貿易システムの理論として、今までは、主に比較優位の原理(Principle of Comparative Advantage)によるリカードモデルや、特殊要素モデル、 ヘクシャー・オーリンモデルおよびマーシャルの外部性貿易理論などが提唱されている。最新の人工知能、ブロックチェーン、ビックデータ解析に関わる新しいシステム情報工学技術の活用によって、国際貿易サービスにおける不確実性と不透明性などの課題が一層改善され、質的な変貌が期待される。 一方、新しいICT技術を利用する場合の経済数理モデルの再考や、システムの安定性及び安全性に対する分析も必要不可欠となってきている。平成31年度は、前年の研究からの知見を踏まえ、各国の貿易に関する経済データを基に、貿易システムの数理モデルによる解析計算を行った。その一部の成果として国間の貿易に関する合意形成や信頼形成にICT技術の利点を明らかにし、国際学術会議で発表をし、また、論文投稿として現在準備している状態である。
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