ブレイドの高次元化であるループブレイド群の任意の元に対し、零点集合が4次元球面内でそのループブレイドの閉包を含むような多項式を構成するアルゴリズムとその多項式の次数の評価を行った研究成果、および、ブレイドのスピン構成法で得られるようなトーラス上の2次元ブレイドや分岐点を含まない一般のトーラス上の2次元ブレイドに対し、零点集合がその2次元ブレイドを表すような正則関数を構成するアルゴリズムとその多項式の次数の評価を行った研究成果を論文にまとめてarXiv(2004.02468v1)でインターネット上で公開した。また、学術雑誌Journal of the Mathematical Society of Japan に投稿し出版を受理された。これに関して2020年10月にオンラインで開催された研究集会「拡大KOOKセミナー2020」でBodeが研究発表、日本数学会秋季総合分科会で鎌田がアブストラクト発表を行った。 ブレイドがPファイバーブレイドであるとは、補空間が円周上のファイバー束構造を持ち、そのファイバー写像が多項式で実現できるものである。Pファイバーブレイドの閉包はファイバー絡み目であるが、その逆が成り立つかどうかは知られていない。Pファイバーブレイドに対して、サテライト操作と呼ばれる新しいブレイドを構成する方法を導入し、得られたブレイドが再びPファイバーブレイドになることを示した。その応用として、任意の絡み目はある実代数的絡み目の部分絡み目として実現可能であることがわかる。これに関しては論文をarXiv(arXiv:2006.00396)で公開している。
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