研究課題/領域番号 |
18F18758
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
大木 理恵子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 独立ユニット長 (70356252)
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研究分担者 |
CAPODANNO YLENIA 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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キーワード | p53 / Akt / Notch |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、希少がんであるヒトの神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor; 以下NET)の症例解析とモデルマウスの作製・解析を通じてNETの本態を解明することである。 NETは、神経内分泌細胞に由来する腫瘍であり、膵臓、下垂体、甲状腺、消化管、肺など全身の様々な臓器に生じる。希少がん故にサンプルの収集が難しいことやマウスモデルの開発が遅れていることにより、未だ腫瘍発生機序は十分に解明されていない。我々は、p53標的遺伝子であるPHLDA3遺伝子が、がん遺伝子Aktの抑制因子をコードし、肺と膵臓のNETにおいて、がん抑制遺伝子として機能している事を明らかにした(Cell, 2009、PNAS, 2014)。我々は、PHLDA3が様々な臓器に由来するNET共通のがん抑制遺伝子であると考えており、本研究課題を進めることで、臓器を超えたNET共通のがん抑制メカニズムを解明し、NET研究とそれに続く創薬や治療法開発につなげたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い、NET抑制におけるPHLDA3遺伝子の機能を解明することを目的に、臨床医との緊密な連携のもと集めた詳細な臨床情報の付帯したヒトNET臨床サンプルを用いたPHLDA3の遺伝子異常を中心としたゲノム解析と、ヒトNETのゲノム異常を模倣するPHLDA3遺伝子を欠損したNETマウスモデルの解析を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題では、ゲノム解析と動物実験を行うことで、NETの本態解明を目指す。研究計画に従い、昨年度に引き続いて、NET抑制におけるPHLDA3遺伝子の機能を解明することを目的に、臨床医との緊密な連携のもと集めた詳細な臨床情報の付帯したヒトNET臨床サンプルを用いたPHLDA3の遺伝子異常を中心としたゲノム解析と、ヒトNETのゲノム異常を模倣するPHLDA3遺伝子を欠損したNETマウスモデルの解析を進める。
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