研究課題/領域番号 |
18F18775
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 健二 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50162425)
|
研究分担者 |
SZCZYGIEL MARTA 東京大学, 人文社会系研究科, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2021-03-31
|
キーワード | トイレ文化 / 衛生 / 文化社会学 / 日本研究 / 文化比較論 |
研究実績の概要 |
本研究の概要は日本のトイレ文化の分析を行う研究である。日本のトイレ技術は国際的に優れており、外国からの評判が高いが、ウオシュレットに戸惑った意見も少なくはない。日本文化と欧米文化を比較しながら、なぜ日本がそこまでトイレの技術を極め、世界のトップになったか分析し、高機能トイレを社会現象として取り上げる。 また、本研究の最大の目的は研究結果を『Discovery of Embarrassment: Power Dynamics in the Evolution of Japan’s Sanitary Technology』(仮タイトル)という本にまとめ、出版することである。それを達成するには、①アーカイブ研究、②研究成果の展開、③博士論文の編集という3つの要因がある。 ①の内容は占領期日本の衛生問題になる。日本人のトイレに関する衛生慣行に占領軍がどのような影響を与えたか?国民はどのように自分の習慣を変更させられたか?占領期のプロパガンダは日本の高機能トイレを生み出す要因でもあったか?そのような問題を分析しながら、20世紀日本の衛生革命を考え直すことが目的である。研究先は主に国立国会図書館の憲政資料室であり、アーカイブ研究がほぼ終わっている。 ②に関しては、2018年12月にイスラエルのテルアビブで開催されたThe IAJS Thematic Conference 2018: The West in Japanese Imagination/Japan in Western Imaginationにて発表し、私と近い研究分野の研究者からコメントやアドバイスを受け、本研究を上達させることができた。 ③については、徐々に新たな研究成果を入れながら本の原稿を編集している。本年度にその原稿を仕上げ、出版の交渉に進む予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記に記入した通り、本研究の最大の目的は研究結果を『Discovery of Embarrassment: Power Dynamics in the Evolution of Japan’s Sanitary Technology』という本にまとめ、出版することであり、それを達成するには、①アーカイブ研究を行う②研究相談する③博士論文を編集するという3つの要因があるが、すべてがおおむね順調に進展している。 しいて言えば一つ遅れているところは、本の原稿に集中して、雑誌論文を投稿できなかったことである。しかし、それは最初の計画のプラスアルファ要因であり、研究が計画通りに進んでいるといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年末までに本の原稿を仕上げ、出版の交渉に進む予定である。英語での出版になるが、私はネイティブではないため、校正を依頼する可能性がある。 それに、自分の研究を広くアピールするように国際学会にて発表することに心がける。次の最大レベルの学会での発表がすでに決定された。 5月にフィンランドのトゥルクにて開かれるThe Fifteenth Conference of the Nordic Association for the Study of Contemporary Japanese Societyに参加し、発表する。 6月にAsian Studies Conference Japan開催の東京で行う学会にて発表し、その後同じパネルの研究者とSilva Iaponicarumという学会誌の特集を出版する。また、この特集の編集者にも務める。 8月に東京で開催されるSociety for East Asian Anthropology Regional Conference 2019にて研究発表する。 11月にAmerican Anthropological AssociationとCanadian Anthropology Societyがバンクーバーにて開催するAnnual Meetingに参加する予定である。この学会で発表する研究実績は私の専門と違う研究分野、ジェンダー論、にもなり、新たな領域での投稿論文も考えられる。
|